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  応用行動分析学を勉強しよう


  1. 応用行動分析学(ABA)を
    学ぶメリット


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  3. 強化,弱化(罰)

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    ついて


  4. うまく行動を強化する
    ためには


  5. トークンエコノミーと
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  6. プロンプト・フェイディング

  コラム.プロンプトを用いて
    正しい行動を強化する
    基本的な方法


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    ということ


  7. 消去と消去バースト 1

  8. 消去と消去バースト 2


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  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと1


  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと2


  9. 分化強化 1 


  10. 分化強化 2 






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 応用行動分析学勉強ノート

 消去と消去バースト 2
 

  消去の手続きを用いる時に注意しないといけないことは、たとえ問題行動であったとしても消去により強化的な結果が取り除かれたら、こどもは強化される機会、こどもにとって望ましい結果を得る機会が減少してしまうということです。「行動的支援勉強ノート1」で繰り返し解説しましたが、こどもの活動の幅や刺激を制限することは極力避けなければいけません。少し言い方を変えると、生活の中で得られる強化の数(注目されたり、褒められたり、欲しい物が手に入ったり、刺激を得られたり、要求が通るなど)を減らしてはいけません。

  そのためには、問題行動を示していない時や少しでも社会的な行動を示した時に問題行動を示すことで得られていた望ましい結果を得られるようにします。「消去と消去バースト1」の例を挙げると、こどもが落ち着いている時に声をかけたり十分にかまってあげて注目する、適切な要求行動を指導し、適切な要求行動がみられたら玩具を手渡してあげたり、課題を中断してあげたりして、要求を通してあげます(代替行動分化強化、他行動分化強化)。そういった社会的に適切な行動を指導したり、強化したりするという計画を消去の手続きと合わせて実施しなければいけません。

 【消去バースト】
  消去の手続きを導入した場合、一時的に標的とした問題行動の頻度や持続時間や強度が増大したり、別の問題行動が起こったりすることがあり、これを『消去バースト』といいます。例えば、注目を得る機能を持った自傷行動を計画的無視によって消去する場合、今まで自傷行動をすることによってかまってもらえたのに、急にかまってもらえなくなるため、自傷行動の頻度が増えたり、叩いてきたりすることがあるということです。こどもの場合は、泣き叫んだり怒ったりといった情動反応が見られることが多いです。これは消去の手続きの過程で仕方がないことなので、消去バーストがみられても、消去の手続きを継続しなければいけません。

  もっとも悪い対応は、消去バーストによって標的とする問題行動の強度が増したり頻度が増えた時に、消去によって取り除いていたこどもにとって望ましい結果を与えてしまうことです。例えば、消去バーストによって注目を得る機能を持った自傷行動が激しくなった時に抱きしめてかまってあげたり、課題からの逃避の機能を持った自傷行動に対して課題を取り除いてあげたりするということです。お菓子売り場で「もうお菓子は買いません」とこどもに言ったのに、こどもが「かってー」と泣き叫ぶので、周りの目を気にして買ってしまい、駄々をこねるという行動を強めてしまうこともこれに当てはまります。そうすると、消去バーストで強度や頻度が増大した問題行動が強化され、強められてしまいます。これが、知的障害や発達障害のある児・者の問題行動やわがまま行動を強めるとても大きな原因です(「3-6. 問題行動が強まるメカニズム」の例も参照)。

  消去バーストが起こるということをあらかじめ予測し、こども自身や周りの人たちの安全に配慮した上で、消去バーストが起こっても消去の手続きを徹底して継続するという計画を立てなければいけません。そして、消去の手続きを徹底して継続できない可能性があるならば、問題行動を強めてしまうだけなので、最初から消去の手続きを実行するべきではありません。

  3日間問題行動を消去していても、4日目に問題行動に対応してしまっては意味がありません。問題行動を消去できたと思っていても数日後、数週間後にふいに同じ問題行動が見られることがあります。これを『自発的回復』といいますが、この自発的回復によって現れた問題行動にまた対応してしまうと、問題行動は再度出現し維持されてしまいます。自発的回復もあらかじめ予測し、こどもと関わる人たちの間で周知徹底し、事前に計画に組み入れておかなければいけません。

 【消去のまとめ】
  問題行動は1つ、または複数の強化的な結果によって維持されています。そのため強化的な結果を取り除くという消去の手続きは、問題行動を減少させるための基本的な手続きになります。
  少し簡単に言うと、大半の問題行動は問題行動を示す前後で環境が変化します。問題行動を示すことで、示す前にはなかった注目が得られたり、欲しい物が手に入ったり、課題をしなくてすんだりするということです。そのため、基本的で大切な考え方は、問題行動の前後で環境を変化させないということであり、問題行動に特別な機能を持たせないということです。問題行動を示しても注目が得られない、欲しい物が手に入らない、課題をやめることができない、つまり、問題行動を示しても環境は変化せず、何も意味がないということを経験させるということです。



 【参考図書:行動変容法入門】


  
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