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 多動や衝動性をコントロールする力を養う

 枠を決めてきっちり対応する


  小学校の年長,中学,高校と進み,保護者や先生の言うことを聞かなくなってしまったり,学校の授業や宿題,習い事に取り組まなくなったり,家庭のルールを守らなくなってしまい,相談に来られるご家族がいます。

  問題が大きくなってしまったこどもは,適切な行動や振る舞いを学習し直す必要があります。『ルールを守る』,『大人の言うことを聞く』という力をつけていかなければなりません。関連する力としては,周囲に合わせる,我慢をする,決められた活動に取り組む,約束を守る,などがあります。

(障害や発達の遅れから困難さを抱えているこどもに対しては配慮が必要です。例えば,ノートは大きい枠のものを使う,教室の座席はこどもが集中しやすい場所にする,ノートをとれているかチェックをする,食事や宿題の時はテレビを消す,具体的に指示を出す,など。)

  十分な配慮を行った上で,適切な行動を経験し,身に付けていく必要があります。まずは簡単なルールから初めて,ルールを守ることができたら認められ,褒めてもらえるといった成功体験をスモールステップで積んでいきます。こどもが少しがんばったら達成できるような適切な枠(ルール)を決めていきます。周りのこども達と同じことをして欲しいと保護者は考え,こどもに頑張らせようとしますが,問題が強くなってしまっているこどもに最初から理想的な姿を求めても難しいです。スモールステップで進めましょう。

  授業や習い事に全て参加する,宿題を全て行う,部屋を1人で片づける,洗濯物をかごに入れる,出したものを元の場所に戻す,ゲームは1日1時間までにする,など様々なことをしっかりして欲しいと保護者が考えるのは当然です。しかし,完璧にできる状態を100とした場合,今ほとんどできていない10や20の状態なら,いきなり100を目指すのではなく,30,40,50とスモールステップで目標の100に近づけていかないと上手くいかないでしょう。これはこどものやる気の問題ではありません。

  例えば宿題を行うことが難しくなっているこどもがいて,30問計算問題が宿題で出ているとします。全て取り組むように保護者はがんばらせ,こどもと言い合いになりながら時間をかけて結局10問しかできなかったとします。そうすると30問取り組まないといけないところ10問しかできず,こどもにとって失敗経験となっていまいます。保護者にとっても褒めてあげることはできず,怒って終わりになってしまったという失敗経験になってしまうでしょう。

  失敗経験,嫌な経験として終わってしまうと,次からさらに宿題への取り組みが悪くなってしまい,保護者の声掛けに反抗してしまうことがあります。そうであれば最初から10問は頑張ろうという枠を決めてあげ,10問がんばることができたら「よし,がんばった」と褒めてあげるところから始めてみましょう。同じ10問でも成功体験とすることができます。保護者は,残り20問あるから欲を出してもう少しがんばろうかと言うのではなく,少し物足りなく思ってもそれ以上のことは要求しないようにします。そして,「よくがんばって10問はできるようになったから,次は15問できるよ」などと徐々に枠を広げて,全ての宿題をするという目標に近づけていきます。この取り組みはその他の色々な場面や行動にも取り入れることができます。
こどもに期待していることを示し,がんばる枠を決め,がんばりを認める,ということが大切です。

  『ルールを決めて守るということ』でも解説したように,この枠(ルール)をこどもの意見も取り入れて,こどもが少し頑張ったらできる程度に設定することが大切です。そして,一度決めたら対応がぶれないように,しっかり取り組んでいきます(『厳しく』ではない点に注意)。枠を決めて,しっかり取り組み,褒めてもらえて成功体験を積む。そして徐々に枠を広げていくという流れになります。

  まずは簡単なところから始めることが大切です。これはこどものためだけではなく
,『保護者がこどもに決まりを守らせる方法をスモールステップで身に着ける』というためでもあります。保護者自身も成功体験を積んでいかないと前向きに考えることができなくなってしまいます。保護者がきっちり対応してあげると,こどもは徐々に落ち着いて決まりを守ったり,指示に従ったりできるようになってきます。そしてどこまでがんばったら良いかということが分かりやすくなり,こどもは楽になるようです。がんばったら自分はできるという自信もついてきます。保護者もこどもを褒めてあげ,認めてあげる機会が増え,上手く対応できたという成功体験を積むことができます。

  こどもに反抗的な行動が増えてきたり,様々な面で対応が難しくなってきたりしている場合は,こどもががんばることができる枠を決め,上手くできたたらしっかり認めてあげるということから始めましょう。保護者はスモールステップで進めることに物足りなさを感じると思いますが,焦らずに望ましい行動を学習し直していきましょう。




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