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 多動や衝動性をコントロールする力を養う

 短期記憶,ワーキングメモリーを伸ばす


  物事を短い時間記憶しておくためには,覚える対象(刺激)に注意を向ける必要があります(意識する)。多くの人は自然と行っていることですが,対象に注意を向けたり,覚えたことに注意を向け続けることが難しいことがあります。

  適切な対象に注意が向かなければ頭に入らず,頭に入っても他の刺激に注意が逸れるとすぐに忘れてしまいます。そうすると,作業や勉強を行う時に困難が生じたり,ルールのある遊びや人とのやりとりも難しくなります。物をすぐなくしたり,今何をする時間か分からなくなってしまうこともあるでしょう。算数の文章題や計算,板書をノートに写す,などの学習にも影響を与える可能性があります。

  短期記憶やワーキングメモリーと言われる認知能力を養う必要があります。前頁までに物事に注意を向ける力について解説したので,注意を向けた物事を頭の中に留めておく力について解説します。基本的には,注意を向け,注意を持続する力を養うことと同様に,記憶しておかないと正答できない課題や遊びをスモールステップで行います。

  取り組みやすい課題として,絵カードの弁別学習を用います。選択刺激として複数枚机上に絵カードを提示し,「○○ください」と指示(見本刺激)を出して選択させます。これは,口頭の指示に注意を向け,選択するカードを見つけるまで記憶しておかないと正答することができません(口頭の指示が難しければ見本刺激は絵カードや具体物といった視覚刺激を用います)。

  徐々に難易度を上げ,「りんごと飛行機とブランコください」などと2-3枚指示を出したり,「○○ください」と言ってから10秒間こどもの手を止め,10秒後に選択させるなどして,記憶しないといけない量を増やし,時間を長くしていきます。「○○ください」と言ってからこどもに「いち,に,さん・・・じゅう」と10まで数えさせてから選択させたり,離れた場所の絵カードを選択して取ってきたり,指示を出されてから選択するまでに別の課題や活動を挿入することも良い練習になります(別のことをしている間も覚え続けておかないといけない)。

  単語を摸倣するような課題を行うこともあります。絵カードの弁別課題と同様に難易度を高めていきます。単語量を増やしたり,短文にしたり(短文復唱),10秒後に答えさせたり,離れた場所の人に言いに行く,など。指示や見本に対してこどもが注意を向けているか注意深く観察しながら実施しましょう。

  楽しめる活動や遊びとして,神経衰弱や伝言ゲームなどを難易度を下げてスモールステップで行うことも良いでしょう。しっかり褒めてあげて,こどもも支援者も楽しみながら短期記憶やワーキングメモリーを伸ばしていくことができます。


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