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勉強ノート
目次
 多動や衝動性をコントロールする力を養う

 衝動的な発話を抑える力を養う


  衝動性が高いこどもと話していると,どんどん色々なことを話してくれるけれど,一方通行になったり話が逸れたりして,会話が成立し難いことがあります。こどもの話を聞くのは楽しいのですが,会話を成立させるためには,人の話を聞いて会話内容に関係があることを話す必要があります。会話の内容を理解し,考えて話す力も必要です。

  抑制する力が弱いため,パッと思いついたことを口に出したり,自分が話したいことを一方的にどんどん話してしまうことがあります。これは,課題中や電車内といった話してはいけない場面でも見られることがあります。
ADHDの診断基準(DSM-5)として,『しばしばしゃべりすぎる』,『しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう』という項目があるので,当然ともいえます。

  日常生活や療育中の会話に関しては,できるだけ一方通行にならず会話が成立するように手助け(プロンプト)をしてあげる必要があります。衝動的な発話を抑制し,端的に応答する練習を行います。例えば,公園で遊んだ後に,「さっき何して遊んだ?」と質問し,こどもが「○○くん遊ぼうって言ってたね,こけちゃって泣いてたね,えーんって言ってたね・・・」などと少し関連するけれど的を得ない内容を一方的に話し始めたら,こどもの話を遮り,「ちょっと待って,さっき何して遊んだ?」と再度質問をします。上手く答えられなかったり,また一方的に話し始めたりすれば,もう少し答えやすいように質問を変え,「公園でブランコで遊んだね,ブランコの後は何で遊んだ?」などと聞いてあげます。こどもが「すべりだい」などと上手く答えられたら,会話を継続させていきます。「すべりだいで何したの?」-「すべった」-「そう,滑って楽しかったね,1人で滑れた?」-「おかあさんとすべった」・・・,など。最初のうちは会話のモデルを示してあげて良いと思います。

  
ポイントは,話が逸れたり,一方的になり始めたら制止して,できるだけ会話を成立させるということです。例えば上記の会話で「すべりだいで何したの?」と聞いたとき,「すべりだい高くて怖かったー,○○君下にいたね・・・」などと話し始めたら,「ちょっとまって,すべりだいで何したの?」や「すべりだいでお母さんと何した?」などと発話を遮って質問を繰り返し,聞かれたことに答えてもらいます。

  全ての会話をきっちりさせようとしても疲れてしまうので,時間を決めて衝動的な発話を遮って上手く応答する練習ができれば,「そうそう○○君泣いててかわいそうだったね」などと言って,少し自由に話をしてあげると良いです。しかし,こどもを長く一方通行で話させるのではなく,「○○くんのママは何て言ってた?」,「仲良く遊べた?」などとたまに話を遮って質問し,こどもに答えてもらったり,話を聞いてもらったりします。こちらが話している途中でこどもが話し始めた場合は,「ちょっと待って,ママのお話聞いてください」と言って制止し,話を聞いてもらいます。

  療育中であれば,課題と関係がない話をし始めたら,「はい,○○してください」や「お話は後です」と言って話を遮り,静かに課題に取り組み抑制する力を養います。言葉で応答するような課題であれば,先ほどの例のように関係がない発話は制止し,端的に答えられるように手助けします。

  こどもが話そうとする気持ちは大切なので,休憩時間などはどんどん話をしてもらい,話を聞いてあげます。しかしあまりに一方的になり過ぎないように注意し,こどものスキルに合わせて,たまに制止してこちらの話を聞かせたり,答えを少し考えて答えてもらったりします。

  衝動的な発話を抑制し,相手の話を聞いて,正しく答える経験を積むことで,一方的に話すのではなく,徐々に会話が成立しやすくなることを目指します。




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