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  はじめに

  こどもの療育で大切なこと

  行動療育で行うこと


  行動療育教室の目標

  コラム 日々の生活や集団の
  中で学習するために必要な力


  こどもとの関係づくり

  療育時間と標的スキル


  課題内容を決めるポイント

  教え方を考えるポイント

  課題の量と難易度を工夫する

  DTT? PRT?

  学習態勢を形成する1

  学習態勢を形成する2

  学習態勢を形成する3

  学習態勢を形成する4

  学習態勢を形成する5

  学習態勢を形成する6

  学習態勢の指標

  認知スキルを伸ばす


  コラム 
  認知スキル常に意識する


  弁別学習1

  弁別学習2  関連する力を
          伸ばす


  コラム 正確性と流暢性

  注意と記憶の訓練1

  注意と記憶の訓練2

  コラム 注意記憶と観察学習

  取ってくる,もらってくる,
  報告する課題


  コラム 距離を離して
       難易度を高める

  ふり遊び、見立て遊び、
  ごっこ遊び1


  ふり遊び、見立て遊び、
  ごっこ遊び2


  失敗や負けることを経験する

  こだわりを弱める

  反応クラスと分化強化

  療育場面の構造化を緩める


  こどもの成長に注目する


  がんばる力をつける


  異なる療育機関の併用


  家庭療育の難しさ1


  家庭療育の難しさ2

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 行動療育に関する情報

 弁別学習1
 

  弁別学習は、言葉、数字、平仮名、社会的スキルなど多くの学習の基本となります。また、弁別学習の指導パラダイムは、学習態勢の形成、注意や記憶の学習に用いることもできます。

  弁別訓練は、「特定の先行条件(A)が存在するときにのみ行動が強化される過程」と定義されます(行動変容法入門より)。例えば、こどもの言葉の獲得を例とすると、「(A)母親と散歩していて犬がいる→(B)「イヌがいるよ」と母親に言う→(C)母親が「ほんとだイヌがいるね、かわいいね」と答える」、「(A)母親と散歩していて犬がいる→(B)「ネコがいるよ」と母親に言う→(C)母親が「違うよ、あれはイヌだよ」と答える」というような三項随伴性になります。そうするとこどもは犬のことを「イヌ」と言う行動が強化され、犬のことを「ネコ」と言う行動が強化されません。犬のことを「イヌ」と言う行動が増え、犬の名称を理解していきます。複数の犬や犬と違う動物に対してそのような随伴性を経験すると、犬刺激に対して般化が生じ、初めて見る種類の犬に対しても「イヌ」という事ができ、犬という概念を学習します。

  療育の机上学習での弁別訓練の基本的な形は、机上に選択刺激を複数提示し、療育者が見本刺激を提示して、こどもに選択刺激の中から選んでもらいます(見本合わせ、マッチング)。そして、正しい刺激が選択できたら強化して、誤った刺激を選択したら強化しません。基本的には、誤った刺激を選択しないように必要なプロンプトを用います。

  具体的な例を挙げると、絵カードの弁別学習では、「馬、車、とんぼ」といった複数の絵カードを選択刺激として提示し、療育者が見本刺激として「ウマ取って」などと言い、こどもが馬の絵カードを選択できたら強化します。

  この際の選択刺激は、絵カードでも良いし、玩具などの具体物でも良いし、パソコンの画面に出した写真など何でも良いです。そして、こどもの理解力や注意力によって選択刺激の数や類似性を調整します。新しい刺激(名詞や動詞など)を学習する場合は、選択刺激の数を少なくし、違いの分かりやすい刺激を用います。先ほどの「馬」刺激の弁別を指導する場合、まずは「馬」の絵カードと「馬と全く似ていない」絵カードや「すでに弁別することのできる」絵カードを選択刺激として提示します。例えば、「はさみ、風船、お父さんの顔」が書かれたカードなど。そして馬の絵カードの弁別ができるようになれば、だんだん馬以外の選択刺激も馬に近いものにしていきます。例えば、牛や鹿など。そして馬の絵カードも1つの種類だけではなく、様々な種類の馬の絵カードや馬の写真、馬のヌイグルミなどを用いて弁別できるようにします。似通った選択刺激の中から色々な種類の馬が選択できるようになれば、馬の弁別ができるようになったと考えます。

  見本刺激も、選択刺激と同じもの(例えば絵カードが選択刺激なら、同じ絵カードを見本刺激とする)でも良いし、刺激の種類が異なっても良いです(例えば、選択刺激が絵カードで見本刺激は口頭での指示など)。見本刺激もまずは選択刺激と類似性の高いものから始めていきます。先ほどの馬の絵カードを弁別させる課題であれば、同じ馬の絵カードを見本刺激とします。そして、馬の絵カードの背景色を変えたり、少し違う種類の馬の絵カード、馬の写真、「うま」と書かれた文字カード、「ウマ」という口頭での指示を見本刺激として用いていきます。

  弁別学習は様々な学習の基礎となると最初に書きましたが、言葉を教えるときも、概念を教えるときも、平仮名を教えるときも、数字を教えるときも、社会的スキルを教えるときも、基本的にまずは正しい刺激や行動を弁別できることが大切になります。

  平仮名の読みを教える過程を例として挙げます。いきなり「あ」と書かれたカードを提示し、「あ」と模倣させて言ってもらうのは中々難しいです。まずは50音表をお風呂場など良く目に入るところに提示し、「あいうえお・・・」と50音を言う練習をします。この段階では「あ」という文字が「あ」であると分からなくて良いです。何となく指でなぞりながら「あいうえお・・・」と言っていきます。繰り返し言葉遊びのように言っていると、こどもはリズムに乗って言えるようになることが多いです。

  次に、「あ」「い」「う」「え」「お」と書かれたカードをランダムに提示し、並べ替えを行います。何となく50音表を見ていたこどもはそれ程混乱することなく、少しのプロンプトで並べ替えを習得しますが、少し難しいようならもう少し50音表を見て「あいうえお・・・」という言葉遊びをしてあげてください。

  そして並べ替えができるようになれば、「あ」「い」「う」「え」「お」の弁別学習に入ります。「あ」「い」「う」「え」「お」カードをランダムに選択刺激として提示し、「あ、取って」、「あ、どれ?」、といった見本刺激を提示し、こどもに「あ」と書かれたカードを選択させます。必要であればプロンプトを行いながら他の「い」「う」「え」「お」でも弁別学習を行い、弁別できるようにします。選択刺激として「あ」「い」「う」「え」「お」の5枚のカードから始めるめることが難しければ、選択刺激を2-3枚にしたり、すでにこどもが分かっている平仮名とペアにして提示しても良いです(「あ」と「ん」を選択刺激として提示し、「あ」を弁別させるなど)。

  次の読みの訓練に入る前に、120%完璧に弁別できるようにしておいた方が良いです。完璧にというのは正答率が100%ということだけではなく、素早く、特に考えている様子もなく弁別できるということです。これを流暢性と言いますが、流暢に、言葉を悪く言うと片手間にでも弁別できるようになると、次のステップに進みやすいです。

  最後に、読みの学習になります。これは「あ」と書かれたカード提示し、「これ何?」と聞いた時にこどもが「あ」と答えるという課題です。弁別学習をきっちりしているとすでに大体の文字は読めるようになっており、読めない文字は必要なプロンプトを行います。例えば「あ」のカードを読ませる場合「あいうえおの・・・」とプロンプトを与えると「あ」と言えることが多いです。

  特定の文字の読みがなかなか習得できないこともあります。その場合は、その文字を後回しにして別のことを課題としても良いですが、正確に読めるようにしたい場合は弁別学習を用いて修正します。例えば「え」という文字が上記の方法でなかなか習得できない場合は、「え」とあまり似ておらず、こどもがすでに獲得している平仮名との弁別学習を行います。例えば「え」と「つ」、「え」と「い」、「え」と「は」などを選択刺激として提示します。その選択刺激から「え」が弁別できるようになれば、「え」と「ん」など形の近い平仮名を選択刺激として提示し弁別学習を行います。似通った平仮名から弁別が可能となると、選択刺激の数を増やして「え」を弁別させます。このような弁別学習を行うと、正答率があがってきます。

   というように、様々な新しい行動やスキル、知識を指導する場合、まずはしっかり弁別学習を行い、流暢に正しい刺激や行動を弁別できるようにすることが基盤となることが多いです。弁別学習をしっかりしておくと、次の段階にスムーズに移行することができます。


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