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 応用行動分析学勉強ノート

 
コラム プロンプトを用いて正しい行動を強化する基本的な方法

  療育場面や学校場面,日常生活で正しい行動の学習を促すためには,まず十分なプロンプトを用いて,正しい行動を行わせることが大切です。無誤学習(エラーレスラーニング)といって,失敗させず成功体験を積み重ねる指導を行うことによって,動機づけを高めることができます。

  誤った行動を経験してしまうと,誤った行動が強化されてしまう可能性があるため,十分なプロンプトによって失敗をさせないということが大切です。『無くしたい行動は起こさせない』ということが教育的支援の基本です。また失敗経験が多くなると,動機づけが低くなってしまいます。

  様々な行動を教える際の基本的な方法は,『こどもがミスをせずに正しい行動ができる程度の十分なプロンプトを与え,正しい行動を行わせて,正しい行動を強化する』ということです。ABCの三項随伴性で考えると,『(A)指示+十分なプロンプト,(B)(必要なプロンプトが与えられ)正しい行動を行う,(C)正しい行動が強化される』という随伴性を繰り返し経験します。正しい行動をたくさん行い,強化されることで(十分に褒められたり,認められたり,達成感を感じたり,フィードバックを受けるなど),楽しい雰囲気で成功体験を積み重ねます。望ましい行動をより多く経験するという事が大切です。失敗しても諦めずに頑張って取り組む等のスキルは,次のステップで良いでしょう。

  『挨拶をする』行動を例として説明します。園について先生に「おはようございます」と挨拶をする,お父さんが帰ってきたら「おかえり」と言う,などを学んでいるとします。こどもが少し言えるようになってきたからと言って,「何ていうの?」と,こどもに考えさせて言わせるのはまだ早いです。時間遅延法を用いて反応を待つのも同様です。まだこどもはがんばって考えないと正しい挨拶が出てこないかもしれないし,誤ることも多いかもしれません。誤った挨拶をして訂正されるといった失敗経験を積むと挨拶をするのが嫌になったり,間違った挨拶を誤学習してしまう可能性があります。

  まずは十分なプロンプトによって正しい挨拶を行い,強化される機会を増やします。「先生に何て言うの?」ではなく,「先生におはようございますって言って」と言ったり,「おはようございます」と言って摸倣させるなど。正しい挨拶をすると相手から挨拶が返ってくることで強化される機会が多くなります。当面は,このようなプロンプトを十分に行い,正しい挨拶を行い成功体験を重ねていきます。次のステップとして,プロンプトをフェイディングしていき,自発できるようにしていきましょう(挨拶が自発されるのを待ったり,「先生に挨拶して」,「先生いるよ」とプロンプトを弱くしていくなど)

  他の行動を教える場合も同様です。こどもが少しできるようになったからといって自発させようとがんばらせ過ぎると,嫌悪感を抱かせてしまったりして失敗してしまうことがあります。まずは十分なプロンプトを用いて正しい行動だけを無理なく行い,強化される経験を積みます。そして,プロンプト・フェイディングとして,徐々に侵襲度の低いプロンプト(指さしや軽く手を添えるなど)に移行し,プロンプトの頻度を少なくしていきます。最終的には,自然な社会的手がかり刺激や声かけによって,正しい行動を行うことができることを目指していきます。


 
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