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 行動的支援勉強ノート 1

 コラム:物を落としたり倒したりする行動


  幼いこどもや発達年齢の低いこどもの初回面談では,机の上のものを落としたり,おもちゃ箱をひっくり返したり,扇風機を倒したりする行動が見られることがあります。表情を見ていると,これらの行動は機嫌が悪くて行っているという訳でもないようです。特に,生活年齢・発達年齢が低く,発語や行動のレパートリーが少ないこどもに多いです。お家でも色々なものを落としたり倒したりして困っているようです。

  これらの行動を示す原因の1つとして,そのような形でしかまだ物を扱うことができないということがあります。赤ちゃんが机の上のコップを落としたり,玩具を倒したり口に入れたりすることと同様です。赤ちゃんに対して「そんなことをしたらダメでしょ」と怒っても意味がないように,これらの行動しかできないこどもに注意したり怒っても意味がありません。消去や罰という行動的な対応で止めさせようとしても教育的ではありません。

  物が落ちたときの音や動き,周囲の人たちの反応を楽しんでいるかもしれないし,落とす,倒すということが習慣となっているのかもしれません。自分ができる行動で環境を操作しているだけとも考えられます。

  まずは,今は物を落としたり倒したりしても仕方がないと考えましょう。そのような形でしか物を扱えないのであれば,そのように扱って当然です。怒ったり注意しても意味がありません。少々散らかしてもイライラせず片付けてあげましょう。物を倒したりすることを前提として,壊したり怪我をしないように置き場所に注意をしたりマットを敷いたりする環境調整を行いましょう。

  環境調整を行いながら,教育的に物の扱いや遊びのレパートリーを伸ばしていきます。まずは物の扱いや認識のための基本的な力を養うため,型はめ,マッチング,積木を積む,などの課題を行い,倒したり落としたりする以外のものの扱い方を身につけていきます。倒すことが習慣となっている場合は,積木を積み重ねて一定時間倒さない練習なども行います。物を扱ったり認識したりする基礎的な力,指示を聞く力,一定時間継続して取り組む力,自分の行動を抑制する力などがついてくると,少し楽しく物を使って遊ぶことができるようになってきます。ミニカー,電車,人形,知育玩具,ままごと,お絵かき,シャボン玉,風船,音の出る絵本,など。物を上手く扱ったり,少し楽しんで遊ぶことができるようになってくると,ただ物を落としたり倒したりする行動はなくなってきます。

  最初はバケツに入っているビー玉をまき散らしていたこどもも,できることが増えてくると,そのような行動はなくなってきます。外出したら走り出してしまったり,じっと待つことができなかったり,すぐに怒って泣いたりする行動も同様です。直接それらの行動を無くそうとがんばるよりも,今は仕方がないと割り切って,様々なスキルや行動を増やすことで(行動レパートリーの拡大),ややこしく幼い行動は徐々になくなっていきます。

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