【カウンセリングルーム/こども行動療育教室】 〒541-0041大阪市中央区北浜3丁目5-19 淀屋橋ホワイトビル5F TEL.06-6203-2410 |
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勉強ノート目次 |
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多動や衝動性をコントロールする力を養う | ||
コラム 怒りを制御する力を評価するポイント 気持ちを切り替える力が弱かったり衝動性が強いと,些細なことで激しく怒るこどもがいます。癇癪ともいわれますが,例えば,自分の思い通りに行かない場面,失敗したりゲームで負けた時などに強く怒り,なかなか気持ちを切り替えて落ち着くことができません。暴言を吐いたり手が出たりすることがあるかもしれません。 衝動的な強い怒りは集団適応を阻害するため,行動療育や日々の支援を通して怒りを抑える力(怒りを制御する力)をつけていくことは大切な課題となります。切り替える力や状況を理解する力,適切に問題を解決する力などがついてくると,感情を制御できるようになってきて,徐々に激しく怒ることは減ってきます。怒りを制御する力も0か100かで考えず,徐々に伸びていくと考える必要があります。それは怒りやすさだけで評価することはできないので,怒りを制御する力がついてきたかどうかを評価するポイントを挙げていきます。 ① 怒りやすさ(怒る頻度や内容) 怒りやすさとは、怒るまでにどの程度我慢することができるかということです。怒るまでの時間が短く,たいしたことではない内容で怒るようであれば,怒りを制御する力は弱いと考えられます。些細なことですぐに怒る,怒りっぽいこどもと見られるでしょう。怒るまでの我慢できる時間が延び,以前怒っていた内容でも怒らずにいられることなどが増えてくると,怒る頻度が減少し,怒りを制御する力がついてきたと考えられます。 ② 怒ったときに自分をコントロールできる程度 怒りを制御する力が弱いと怒ったときに全く自分をコントロールできず,何を言われても耳に入らず,暴れてしまったりします。これが癇癪と言われる状態だと思いますが,怒りをコントロールする力がついてくると,怒りながらでも渋々言われたことをしたり,自分の考えや怒っている理由を言葉で言ったり,我慢して適切に行動したりできるようになってきます。例えば,怒って物を投げてしまった時に,全く自分の行動をコントロールすることができなければ「拾いなさい」と言われても拾うことはできません。しかし,少しコントロールできるようになってくると,渋々でも自分で拾うことができるようになります。このように,怒ることがあったとしても怒ったときにどれだけ自分をコントロールすることができるかは怒りを制御する力を評価する大切なポイントになります。 ③ 怒ってから落ち着くまでの時間 怒りを制御する力が弱いこどもは一度怒ると,なかなか気持ちを切り替えて落ち着きを取り戻すことができません。数時間怒り続けたり,機嫌が悪い状態が続いたりすることがあります。怒ってしまったとしても,そこから落ち着くまでの時間が短くなってくると,徐々に気持ちを切り替える力や怒りをコントロールする力がついてきたかなと考えられます。 ①で説明した怒りやすさや怒る頻度だけに注目していると,怒りを制御する力がついてきたかどうかを見落としてしまうことがあります。感情をコントロールする力を身に着けている段階では,衝動的に怒ってしまうことがあっても仕方がありません。しかし,怒ったときにこちらの言うことが少し耳に入るようになってきたり,怒ってから落ち着くまでの切り替えの時間が早くなってきたりすると,怒りを制御する力が徐々についてきていると考えてあげて良いと思います。 <<前の頁へ 次の頁へ>> 参考図書 おすすめ図書 行動的支援勉強ノート 目次 みどりトータルヘルス研究所 こども行動療育教室 みどりトータルヘルス研究所 カウンセリングルーム |
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