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 多動や衝動性をコントロールする力を養う

 日々の関わり方の視点を変える


  こどもが多動や衝動性に関係する問題行動を示したとき,保護者や先生は注意したり,制止したり,なだめたり,といった対応を取ると思います。自他に危険が及ぶような逸脱行動は制止する必要がありますが,逸脱行動を示すことで過度に注目されたり,周囲が騒がしくなってしまうと逸脱行動を強めてしまう可能性があります。

  ADHDなどの診断を受けたこどもの問題行動は『こどもの弱い点を理解する』で解説したように障害からくる弱さが主に原因ですが,周囲の対応によっても問題行動が強められることがあります。

  日々のこどもとの関わりでは,少し視点を変えることが大切です。どのように視点を変えるかと言うと,“多動性や衝動性が原因と考えられる問題行動を無くす(少なくする)”という考えから,“落ち着いて過ごすことができる時間を増やす”,”前向きに取り組める活動を増やす”という点を重視するようにします。

  同じことの様ですが,こどもが示す様々な問題行動にのみ意識がいってしまい,疲れきっている保護者がいます。問題行動だけを気にしていると,こどもが少しでも良くない行動をしたら過剰に反応してしまいます。問題行動に対する周囲の過剰な反応により,さらに問題行動が強まり,保護者の悩みも増えて,さらに気になる,といった悪循環に陥ってしまいます。親子関係や家庭の雰囲気が悪くなり,保護者もこどもも成功体験が得られず自信を無くす,といった更なる問題につながる可能性もあります(二次障害について)。

  様々な問題行動を示すこどもも,1日中問題行動をしている訳ではなく,普通に椅子に座っている時間や,ご飯を食べている時間,テレビを見ている時間があるはずです。保護者はこどもに向ける注意の視点を変え,普通に過ごしている時間,当たり前に過ごしている時間に注目することが大切です。こどもが椅子に座ってお菓子を食べているときに,それを当たり前と考えずに,「静かにお菓子食べて偉いね」,「落ち着いて食べてるね」,「お母さん嬉しいよ」などと言って微笑みかけ注意を向けてあげます。頭をなでてあげるだけでも良いです。普通に過ごしている行動に注目し,認めてあげ,強化して伸ばしていきます(他行動分化強化)。普通に過ごしている時間が増えてくると,自然と問題行動は減少します。

  多動や衝動性からくる問題行動よりも,自然と普通に過ごしている時間に注目するように視点を変えることが日々の対応における出発点です。普通に過ごす行動を頻繁に,積極的に注目し強化していきます。悪い行動には目が行きやすいですが,良い行動,普通の行動に注目するのは中々難しいので保護者も練習が必要です。こどもがたくさん持っている良い部分に注目できるようになると,親子関係も良くなっていくでしょう。


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