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 行動的支援勉強ノート2 

 行動理論を理解してもらうために
 

  保護者や多職種の方々に行動理論を知ってもらい,日々の生活や支援に活かしてもらうためにはどうしたら良いでしょう。

  専門家が保護者や多職種の方に行動理論を伝える手段はホームページで情報を公開したり,研修や勉強会を通してなど,色々あります。

  保護者や多職種の方々に行動理論を伝え,理解していただく一番の方法は,実践に触れてもらい実際に効果を実感してもらうことだと思います。次に現実的な方法は継続的な会話だと思います。ここでは会話について考えていきます。行動理論はシンプルですが,行動とは何か,随伴性とは何かということを理解するのは本を読んだり研修会に参加しても以外と難しく,誤って理解されていることもあります。

  例えばこどもが問題行動を示した時に,どのような目的(機能)で問題行動を示したのか,誰のどのような対応で問題行動が強まっているのか,どのように対応することで問題行動は弱まるのかを話します。認知機能や過去の学習経験から説明をすることもあります。療育を行う際も,どのような随伴性で指導しているのか,どの行動を強化し,消去しているのかを実際に見て頂いて,可能な限り説明します。

  この時,専門家は特に応用行動分析学(ABA)とか,強化子などの専門用語を使う必要はありません。一般的な言葉で行動の機能と対応方法を繰り返し話すことで,保護者や多職種の方は自然と行動理論にもとづいた行動の見方ができるようになることがあります。何か問題行動が見られた時に,こういう理由で問題行動を示している,こういう対応で問題行動が強まっているというような会話を自然とされるようになります。

  支援やクラス運営の上手な職員,教師の多くは,特に行動理論を勉強していなくても経験的に適切な行動の見方と対応の仕方を身に着けている方が多いです(こども達の良い行動にしっかり注目し,不適切な行動には過度に反応しないというような)。そのような職員や教師は,行動理論に基づいてこどもの行動を説明すると,自分の考えていたことと同じだと感じられる方が多いようです。自身の経験から培った見解が,科学的に認められた行動理論と同じであれば,受け入れやすく頭の整理にもなるようです。

  一度の研修や勉強会では,日々の支援に活かせるほど行動理論を理解することは難しいと思います。その時は分かったつもりになっても活用できなかったり,誤って理解していたりすることがあります。

  そのため,関連施設で働くABAの専門家は,多職種の職員と積極的に話す機会を設け,日々の会話や雑談,相談時に行動理論に基づいた行動の見方や対応の仕方を分かりやすい言葉で話すことが大切です。行動療育を行う専門家は,療育前後や療育中に行動理論に基づいて,分かりやすい言葉でこどもの行動を保護者に説明すると良いでしょう。そして,保護者や多職種の職員が自然と行動的な考え方ができるようになってきたら,応用行動分析学(ABA)の専門用語を使って説明したり,専門書を勧めると,スムーズに理解できることが多いです。

  応用行動分析学(ABA)を学びたい保護者や多職種の方はご家族や仕事仲間で行動理論に基づいて行動を説明し,話し合う時間を取ると良いです。最初は限られた時間で良いので,『今日のあの行動はこういう機能を持っている』,『あの行動を強化してしまった』などと話す時間を取ることで,お互いに確かめながら考え方が身についてきます。こどもの性格などは少し横に置いて,どういう状況(A)で,どういう行動が起こり(B),どういう結果が得られたのか(C)という随伴性の枠組みで行動と環境刺激に注目して考え話し合ってください。

  可能であれば,専門家と話す機会を定期的に設け,考え方や行動の捉え方が正しいか確認してください。そのような時間を取り,行動理論にもとづいて行動を捉える練習を行うことで,どのような行動でも自然と客観的に捉えることができるようになると思います。

 
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