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 個別療育の進め方

 
がんばる力をつける 1 

  少し難しい活動に取り組んだり、疲れてきたとき、すぐにあきらめてしまうこどもがいます。課題をしたくないと泣いたり、活動を嫌がって教室を飛び出したりすることがあります。

  課題場面や集団生活場面では、難しいことに取り組んだり、疲れてきた時に必要なスキルが大きく2つあります。1つは、本当に分からなかったり疲れてしまったりした時に誰かに手助けを求める力です。もう1つは、難しかったり疲れた時でも、がんばって取り組む力です。ここではそのような『がんばる力』について考えていきます。

  こどもに『がんばる力』をつけるには、まずは学習態勢を形成する必要があります。いきなり難しい課題をがんばらそうとしても上手くいかないので、成功体験を積んで自信を持たせる必要があります。こどもが今持っている力で成功できるような課題を提示し、繰り返し上手く答えさせ、褒めてあげます。「これくらいできるだろう、簡単すぎかな?」程度の難易度で良いと思います。集団活動でも、こどもが失敗しない程度の内容から始め(または十分な援助を行い)、こどもに上手く取り組ませ、褒めてあげます。

  成功体験を積ませ、こどもが自信を持って積極的に課題に取り組めるようになってきたら、徐々に課題の難易度を高めます。絵カードの弁別課題を例に挙げると、3枚の絵カードを提示し、その中から1枚こちらが指示した絵カードを選択することができるとします。難易度を上げるには、例えば、提示する絵カードを4-5枚にする、絵カードの絵を似ているものにする、絵カードの向きを合わせずにばらばらに提示する、2つの名称を指示して選択させる、少し離れた場所に絵カードを提示して取ってきてもらう、などです。
  ここでのポイントは、今ある力から少しがんばれば成功できるような難易度で課題を提示することです。急に難易度を上げすぎると失敗してしまい、嫌悪感を抱いてしまいます。

  必要であればプロンプトを提示し、少し難しい課題でもがんばれば正解できる(上手くできる)という成功体験を繰り返し経験させ、できたらしっかり褒めてあげます。

  その間に、こどもがすぐに答えられなくてもプロンプトを出さないセッションも行います。そうするとこどもは「リンゴの絵カードどこかな?」「見つからないなー」「どこだどこだ」「あった!」というように、すぐに見つからなくてもがんばって探し、自分の力で課題を達成するという経験を積むことができます。

  このように少しがんばったら課題が達成できるという経験を積み重ねることが大切です。学習態勢ができていたら、少し時間をかけてがんばることはそれほど難しくありません。上記の例なら、絵カードを探すといっても数秒程度です。

  少しがんばったら上手くいく経験を十分に積ませることができたら、そのがんばる程度を強め、時間を延ばしていきます。例えばこどもにもよりますが、20枚くらいの絵カードを机の上にランダムに提示し、2-3枚の絵カードを選択させるなど。徐々にがんばる力が伸びていれば、時間をかけて絵カードを探すことができます。

  このようにして『がんばる力』がついてきたら、少々難しい課題にもがんばって取り組むことができるようになります。

  ポイントは2点あり、今のこどもの力(無理なくできる事や頑張ることができる程度)を見極め、それより少しがんばったら成功する難易度の課題を提示することです。そして、がんばったら最終的には必ず正解して(成功して、上手くいって)終わることです。持っている力より相当難しい課題などに取り組ませると、返って嫌悪感を抱かせ逸脱行動を強めてしまう可能性がありますし、がんばっても失敗したり正答できなければ、やる気はなくなってしまいます。

  成長し社会生活を送っていくと、がんばっても上手くいかない場面に遭遇することはあると思います。その時は誰かに助けてもらったり、利用できる手段を考えたりする力をつけてあげれば良いので、まずは少々難しいことや疲れることでも、がんばって取り組む力を養ってあげてください。


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