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 個別療育の進め方

 
学習態勢を形成する2 成功経験を積む

  『学習態勢を形成する 1』で椅子に座って机上の課題に取り組む態勢作りについて解説しましたが、ここでは課題への取り組みを強化することについて解説していきます。課題に取り組む行動を強化することによって、こどもは抵抗なく、楽しく、自主的に課題に取り組むようになり、少し難しい課題にも挑戦して取り組むことができるようになります。

  ポイントは、課題に取り組む行動を繰り返し強化し、成功経験を積むことです。

  すばやく簡単に成功できる課題を提示し、こどもが取り組むことができたら強化します。最初から、こどもが上手くできない課題や集中力を長く持続しないといけない課題を行うと嫌悪感を抱いてしまうので、すぐに正答できる課題を提示します。『無誤学習(エラーレスラーニング)』といって、課題の難易度を調整し、必要なプロンプトを与えて成功体験を積ませることで、課題への動機づけが高まります。また、PRTでは『試みを強化する(reinforce attempts)』といいますが、課題の正答、誤答に関わらず、取り組む姿勢に注目し強化することも大切です。

  絵カードの弁別が可能なこどもなら、簡単な弁別訓練(絵カードを数枚提示し、こちらが名称を言い選択させる)は頻繁に強化できるのでおすすめです(名称を教えるというための訓練ではなく、課題に従事する行動を強化することを目的に、すでに弁別可能な絵カードを用いる)。自閉症のあるこどもならば、TEACCHでよく用いられるペグさしなどの課題は取り組みが良いことが多いので、よく用います。

  三項随伴性の枠組みで考えると、「A:療育者が指示を出す-B:指示に従う-C:強化子が提示される(達成感が感じられる,褒められるなど)」「A:課題が提示される-B:課題を行う-C: 強化子が提示される」という経験を繰り返し、集中的に経験させることが大切です。このとき、指示を聞かない、課題を行わない、嫌がっているのに強引に課題をさせる、という経験をさせてはいけません。こどもが少し嫌がる素振りを見せたら、その時点で課題を切り上げたほうが良いです(できれば嫌がる前に)。そして、こどもが少し物足りない程度の量や時間で課題を終わらせます。少し難しい課題にがんばって取り組むという行動は、まだ先の段階です。

  この時の強化子ですが、「学習態勢を形成する 1」で解説したような、遊びに興味のあるこどもならば褒めてあげて遊びを再開するということで良いですが、遊びに興味を示さないこどもであれば、こどもが喜ぶ強化子を提示します。iPadで動画を見たり、お菓子を食べたり、くすぐったり、肩車をするなど。そのため、学習態勢の形成には様々な強化子を見つけておくことが大切になります。言い換えると療育を始める前に、こどもが喜ぶ強化子を見つけておかなければ、上手く療育をすすめることが難しいです。課題に取り組む行動が強化される経験を積み重ね学習態勢が形成されると,課題ができた喜びや達成感が強化子となり,特別な強化子を提示する必要がなくなります。


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