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 行動的支援勉強ノート 1

 どのように活動レパートリーを増やしていくか


  
課題や作業と同様に,発達障害のあるこどもが余暇活動を楽しむために必要なスキルはたくさんあります。ここでは活動レパートリーの中でも特に余暇活動や日々の生活に焦点を当てて,拡げ方を考えていきます。大人になってから新しい活動に取り組むことは中々難しいため,できるだけこどもの時から様々な活動レパートリーを増やす取り組みを行っていくことが大切になります。

  
行動や活動のレパートリーを増やすことがQOLの向上に大切であることを,こどもと関わる皆が理解し,共有することが大切です。時間や労力を要する取り組みであるため,皆で協力して取り組んでいく必要があります。

  まずは現段階のこどもに合った活動(短時間であっても取り組むことのできる活動)を見つけ,徐々に時間やレパートリーを拡げていきます。こどもが強く拒否する場合は強要するべきではありません。余暇活動であれば楽しむことが目標となるため,こどもに嫌悪感を抱かせず進めていくことが大切です。

  単純な活動でいえば,散歩に行く,買い物についていく,おもちゃで遊ぶなどが挙げられます。そこから段階的に活動を広げていくのですが,『散歩に行く』を例に挙げると,まずは家の周りを数分歩く,徐々に時間を延ばして新しい道を歩く,砂利道や坂道など足場の悪い道を歩く,など徐々に時間や活動範囲を広げていきます。バランス感覚を培い,肥満対策にもなるため健康に良いですし,山歩きや電車での移動などの余暇活動にもつながり,活動範囲が広がって社会的経験の機会が増えていきます。

  玩具で遊ぶというレパートリーも楽しんで取り組むためにはある程度のスキルが必要になります。こどもがおもちゃや遊びに興味を示さないということで諦めてしまっている方がいるかもしれません。しかし,他の様々な行動と同様に,
遊びスキルも練習して伸ばしていくという考え方が大切です。まずは感触や音,光で楽しめる知育玩具や粘土,トミカや楽器などこどもが興味を示しそうな玩具を複数用意し,短時間,1-2分でもこどもが玩具を触り操作できれば,精一杯ほめて一緒に楽しみましょう。

  この時のポイントは多様な玩具を用意するということと,少しでも遊べたら一緒に遊んで大げさに反応し,楽しい環境を作ることです。保護者に褒めてもらうということはこどもにとっては大変うれしいことなので,どんどん褒めてあげて下さい。そうして徐々に玩具で一緒に遊ぶ時間を延ばし,玩具のレパートリーも増やしていきます。こういった短時間の簡単なことから始めて,スモールステップで時間や難易度を高めていくという方法は作業や机上の課題に取り組む時も基本となる進め方です。

  次に活動レパートリーを増やすために,地域の社会的資源を利用していきます。例えば福祉施設や市営プール,公園や展示場など障害があっても楽しめる施設はたくさんあります。保護者間で利用できる施設や催し物の情報を共有することも有効です。また,時間が取りにくい場合はガイドヘルパーやボランティアなどを利用して活動の機会を作っていきます。大学によってはボランティアサークルなどがあるので,調べてみると利用可能なところもあります。

  このように,こどもが興味を持たないからといってあきらめず,
『楽しむことを教える』という考え方が必要です。社会的資源も活用し,活動レパートリーを積極的に増やしていきましょう。水泳,絵画,楽器の演奏,スポーツ,体操,家のお手伝い,買い物,カラオケ,鉄道の鑑賞など成人してからも楽しめる活動を計画的に増やしていきましょう。

  良さそうな習い事があれば『受け入れられるかな?』と心配しすぎずにチャレンジしてみましょう。断られたら縁がなかったと別のところを探したら良いだけです。

  最後に,他害行動やその他の問題行動のために今まで取り組んでいた活動を止めてしまうことがあります。例えば,大声を出すので電車に乗らなくなった,人を叩いたので習い事を止めた,壊してしまったのでテレビを部屋に置かなくなったなど。しかし,
活動を制限したり,刺激を制限するには細心の注意が必要です活動の幅が狭くなるということはこれまでの内容からも分かるように,社会的学習の機会が制限され,発達にとっては非常にマイナスになります。そのため,本当にその活動を止めなければいけないのか,続けるために何か工夫できることはないか,止める活動に代わる活動を用意できないかをしっかり考え,容易に活動や刺激を制限しないように注意してください。

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