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 行動的支援勉強ノート 1

 代表的な問題行動の機能と行動が形成されるメカニズム


  
問題行動の主な4つの機能(目的)を紹介していきます。

① 事物の獲得食べ物や玩具などを手に入れることを目的とした行動。
② 課題からの逃避課題や作業を中断したい,作業を止めたいということを目的とした行動。
③ 注意の獲得他者の注意を得ることを目的とした行動。
④ 感覚刺激を得る先の3つの機能に当てはまらない,刺激を得ることを目的とした行動。

  発達障害のある人たちが示す問題行動のほとんどは,上記の4つのいずれかの機能,または,複数の機能を持ち,これらの要求が通ることで形成,維持されます。

  つまり,A-B-Cの三項随伴性で考えると,(A)ある状況で(B)ある行動を行い(C)上記のいずれかの要求が通る,または好ましい感覚が得られる,ということを経験すると,その状況(A)でその行動(B)が出現しやすくなり,習慣となっていくということです。

  ABCの三項随伴性の枠組みで考えた場合,結果(C)に4つの機能のいずれか,または複数が該当します。前節の2つのケースを例に挙げると,

ケース1:
「(A)お菓子売り場に母親といる→(B)頭を叩く→(C)お菓子を買ってもらう」の『(B)頭を叩く』は事物の獲得の機能を持っており,
ケース2:
「(A)作業を行っている→(B)頭を叩く→(C)作業が中断される」の『(B)頭を叩く』は課題からの逃避の機能を持っていると推測できます。

  ポイントは,前述の2つのケースのように『頭を叩く』という行動の形態は同じであっても機能(理由や目的)が異なることがあるということです。頭をコンコンと叩き続ける行動を例とすると,自己刺激行動の場合もあるし,周囲の注目を得ている場合もあるし,周りの人を遠ざけたり課題を避けたりする機能を持っていることもあります。問題行動の機能が異なれば,対応方法も変えなければなりません。

  また,行動の形態が異なっても,同じ機能を持つ行動もあります。例えば,叩く,ひねる,かみつくなど色々な形態で他害行動を示して欲しいものを獲得することがあります。このことからも
行動の形態や強さ,行動そのものに注目するのではなく,前後関係から機能(理由や目的)を推測するによって,有効な支援計画を立てることができることが分かります。そして,1-2回経験するだけで学習する行動があれば,複数回繰り返されて学習する行動もあります。

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