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 行動的支援勉強ノート 1

 食事に関する行動


  適切な食行動は将来の適応的な生活に向けて必要なスキルであり,心身の健康に大きな影響を与えます。発達障害のあるこどもには食事に関連する行動に様々な問題が見られることがあります。例えば,盗食,偏食,食事量(大食い,小食),反芻,箸やスプーンの使用,咀嚼や嚥下の問題が挙げられます。偏食に関しては前節,柔軟性,変化への耐性を養う,で少し触れましたが,その他も早期から計画的に指導していくことで食事に関する適切な行動を形成していくことができます。

  盗食は食べたい物が食べられるといった,こどもにとって望ましい結果がすぐに得られるため,1度盗食すると継続して行うことがあります。対応方法としては,こどもの食器の色だけを目立つものに変えて自分の食事はこれだということを分かりやすくする(机の上にテープを張ってこどもの範囲を決めてもいいです),盗食せずに自分の食事だけを食べることができたらこどもが好きなデザートを食べさせてあげる,盗食しようと隣の人のおかずを掴んでも絶対に食べさせない,盗食が頻繁に起こるようなら食事の時間や場所を少し離して自分の分だけを食べる習慣をつけ,徐々に家族と一緒に食べられるように近づけていく,など様々な方法が考えられます。

  食事量に関しても適量を大きく超えた食事を食べなければ納得できないという問題があります。満足する量を食べられなければ暴力を振るったり,肥満のため生活の幅が狭まったりすることがあるため,早期から保護者が用意した分量だけを食べるということに決めておくと良いでしょう。過度にこどもの要求通りに食事を提供しないことで,『出された分だけを食べる』という習慣を形成することができます。

  反芻や咀嚼,嚥下に関しては若くて身体が丈夫な間は大きな問題にならないかもしれませんが,年齢を重ね身体機能が低下してくると命に関わる問題に直結することがあります。例えば,喉に食べた物を詰める,食道の障害,誤嚥性肺炎のリスクを高めます。また,身体機能が弱まり咀嚼に問題があると刻み食やミキサー食が提供され,食事の楽しみを感じることができなくなることもあります。そのため,早期から食事に関する問題を先送りせず,しっかり噛んで飲み込むという練習をしていきましょう。早食いで丸飲みしてしまうようであれば,一口食べるごとに手の動きを10秒ほど制止し,一口毎に間隔をあける練習を行います。また,咀嚼が苦手であれば,咀嚼のしやすい食べ物から咀嚼のしにくい食べ物に徐々に移行し,段階的に咀嚼の練習を行います(逆に咀嚼しないと食べられない食べ物から始めることもあります)。模倣を通して口の動かし方を練習するところから始めることもあります。

  食事を楽しみにしているこどもは多く,リラックスした状態で食事をとることは大切です。しかし,食事に関する様々なスキルが未獲得な場合や誤っている場合は,その他の行動と同様に正しいスキルを学ぶ必要があります。将来,集団生活や心身の健康に食事は大きな影響を与えるため,早期から正しい食事行動を計画的に教えていきましょう。

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