【カウンセリングルーム/こども行動療育教室】 〒541-0041大阪市中央区北浜3丁目5-19 淀屋橋ホワイトビル5F TEL.06-6203-2410 |
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勉強ノート目次 |
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行動的支援勉強ノート 1 | ||
コラム 私たちの行動も強められている? 『3-6.問題行動が強まるメカニズム』では,こどもの問題行動に焦点を当てて解説しました。ABAの行動理論は障害のある人たちの行動だけではなく,彼らと関わる私たちの行動の説明にも役立ちます。 私たちの対応によってこどもの行動が変化するように,こどもの反応によって私たちの行動は変化しています。ここでは消去と消去バーストを用いて解説した問題行動が強まるメカニズムに対応する形で,私たちの叱責行動が強まるメカニズムを考えていきます。まず,以下の三項随伴性の例を見ていきましょう。 ①(A)こどもが騒がしい→(B)「静かにしなさい」と口頭で注意する →(C)こどもが静かになる ②(A)こどもが騒がしい→(B)「静かにしなさい」と口頭で注意する →(C)こどもが騒がしいまま ③(A)こどもが騒がしい→(B)「うるさい」と強い口調で注意する →(C)こどもが静かになる ④(A)こどもが騒がしい→(B)「うるさい」と強い口頭で注意する →(C)こどもが騒がしいまま ⑤(A)こどもが騒がしい→(B)「うるさい」と言ってこどもを叩く →(C)こどもが静かになる このような段階を経てこどもへの対応が変わっていくことがあります。『3-6.問題行動が強まるメカニズム』で示した,こどもの問題行動が強まるメカニズムと全く一緒であることが分かります。静かにしてほしいという大人の要求があり,要求が通らない(消去される)と大人の行動の強度が増す(消去バースト)ということです。段階的に注意・叱責の強度が強まり,こどもへの対応が厳しいものになり,エスカレートすることがあります。 注意するという行動が強まっていくメカニズムで恐ろしいところは,多くの場合自分では気付かないところです。他の人から「少し厳しすぎるよ」と言われても,「何も知らないのに勝手なこと言わないで!」と思うこともあるでしょう。 意識していないうちに私達の行動もこどもの反応から影響を受けており,変わっていることに注意して下さい。定期的に少し落ち着いて,自身の行動を振り返る時間をとることも大切です。褒めた数や時間,叱責した数や時間を簡単に記録しても良いと思います。こどもの行動も自身の行動も,少し客観的に見る目を養いましょう。 資料の紹介 日本行動分析学会 『「体罰」に反対する声明』 <<前の頁へ 次の頁へ>> 行動的支援勉強ノート 目次 参考図書 おすすめ図書 みどりトータルヘルス研究所 こども行動療育教室 みどりトータルヘルス研究所 カウンセリングルーム |
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