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 行動的支援勉強ノート2 

 専門家の『少し様子を見ましょう』というコメントについて


  こどもの発達に関して1歳半健診や3歳児健診で気になる指摘をされたり,園の先生に勧められて専門機関に相談をする場合があります。専門機関では発達検査や遊び場面の観察を通して,発達の遅れを指摘されたりアドバイスを受けることがあります。

  その時,明確な発達の遅れや障害の有無が判断できない場合,「少し様子を見ましょう」と言われることがあります。

  確かに初回の面談でこどもの様子を観察し,保護者から聞き取りを行っても,様々な点で判断が難しいことがあります。『関わり方に違和感を感じたり,常同行動が少し見られたりして,少し問題がありそうだけど,大きく逸脱しているわけではないし…』,と特別な支援が必要かどうかの判断に迷うことがあります。

  可能性として,発達の問題がないかもしれないし,問題があるかもしれない,といった場合に,『少し様子を見ましょう』とコメントされるのだと思います。しかし,仮に発達の問題があったとしたら,様子を見て何もしなかった期間は無駄になってしまい,問題を先延ばしにするだけであり,後々の後悔につながる可能性があります。

  私はその場合,「できることから始めましょう」といった内容を提案することが多いです。より経験を積んだ臨床家であれば正確な判断が可能だと思いますが,今の段階で判断が難しい場合は,「こういう点は気になるが,特に問題では無い可能性があります」,「しかし,問題がある可能性もあるため,今からできることを始めた方が良いと思います」とコメントし,ご家族に判断してもらいます。

  言葉やコミュニケーション,遊びの指導やご家庭での関わり方などに関して配慮し,結局気になる点がすぐに改善され,特に問題なく成長していけたとすれば,『当時は心配し過ぎていたな』と後々思い出話としたら良いので,無駄にはならないのではないでしょうか。

  発達相談を受ける専門家は極力「少し様子を見ましょう」と言うべきではないと考えます。問題がないのであれば「問題はない」というべきだし,様々な可能性を考え,今できることを提案する必要があると思います。様子を見るように言うならば,いつまで様子を見るのか,どのような点に注目して様子を見るのか,どうなったら問題がないと考え,どうなったら専門的な支援が必要と考えるのかを具体的にアドバイスしたり情報を提供したりすると良いです。ただ「様子を見ましょう」というだけであれば,「私には何もわかりません」と言うことと,あまり変わらないです。

  保護者の方は専門家に「少し様子を見ましょう」と言われたら,今何かできることは無いか,いつまで様子を見たら良いのか,どこに注目して様子を見れば良いのかを具体的に聞き,アドバイスをもらって下さい。

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