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 行動的支援勉強ノート2 

 行動は変わるということについて


  「行動的支援勉強ノート」では,行動は変わるということを前提として強調しました。当たり前だろうと思う人が多いと思いますが,特に重度や成人の知的障害や発達障害のある人たちと関わる人たちの間で,この前提が共有できていないことがあります。

  行動は変わるという前提が無ければ,例えば自閉症のある方が問題行動を示した際に教育的に支援するという考えが起こり難くなります。『この人は重度の自閉症だからこういう問題行動を示すのは仕方が無い』と考えると,刺激を制限したり,活動の幅を狭めたり,投薬により行動を抑制するという対応になります。それでは本質的な問題の改善になりません。極端な話,椅子にくくりつけたり,部屋に閉じ込めておくといった対応につながりかねません。

  「3-5なぜ発達障害のある人たちに問題行動がみられやすいのか」で解説しましたが,発達障害のある人たちに問題行動が見られやすい大きな理由は,行動レパートリーの乏しさ,または,問題行動により要求が通りやすいからです。少し専門的に言うと,適切な行動の未学習,または,誤学習です。行動は変わるという前提があれば,適切な行動の未学習のために生じる問題行動であれば適切な行動を学ぶための支援が,誤学習であれば適切な行動が起こりやすいようにする支援が優先されます。

  こどもの発達支援に関わる方は教育的な視点を持っている方が多いです。しかし症状が重度であったり,問題行動が激しかったり,成人していたりすると,教育的な関りを通して成長を促す,適切な行動を増やす,楽しめる活動を拡げる,という考えが持ちにくくなるようです。応用行動分析学(ABA)や行動を修正するための方略を普及できない専門家にも責任はあると思いますが,行動は変わります。知的障害が重度になり年齢が上がると,学習に時間がかかり,複雑な行動の学習が難しくなりますが,それでも行動は変わります。

  特別な教育や関わりを行う時間が無いと言う方がいるかもしれませんが,少し考え方を柔軟にしましょう。何か問題行動が起こったときに時間をかけて修正するだけではなく,日々の適切な関わりを通して,問題行動を強めず,社会的に適切な行動や普通の行動を増やすということは可能であり大切です。日々の関わりなので,時間が無いということは理由になりません。行動は悪い方にも変わるので,日々の関わりが不適切であれば,問題行動は増えていきます。

  「行動は変わる」という前提を共有していないと教育的な考え方ができず,前向きに支援を進めることができません。そのため,行動的支援勉強ノートでは,行動は変わるということを前提として強調しています。

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