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 行動的支援勉強ノート2 

 
相手によって行動が変わることは悪いことなのか?

  「A先生の言うことは聞くけれど,B先生の話は聞かない」と言った相談を受けることがあります。ある人の前では大人しいけれど別の人の前ではふざける,父親の指示は聞くけれど母親の指示は聞かない,など。人を見て動く,相手によって行動を変える,よく人を見ている,などと言われます。

  困りごととして相談されることが多いですが,こどもが相手によって行動を変えることは悪いことだけではありません。第1に,ある人の前では正しい行動ができるということから,正しい行動を行動レパートリーとして獲得しているということが分かります。第2に,人によって行動を変えるということから,学習する力があるということも分かります。私はよく「○○君は学習する力があるということですね」とお答えします。

  つまり,三項随伴性の枠組みで捉えると,『ある状況で(A)-ある行動をすると(B)-どのような結果になるか(C)』ということが学習できているということです。先行条件(A)は,厳しい先生,やさしい先生,お母さん,お父さん,などであり,例えば,厳しい先生はふざけても相手をしてくれないが,優しい先生はふざけたら構ってくれる(または動揺する)などと学習して,相手によって行動を変えています。

  学習する力がなければ,相手が誰であろうと,どういう状況であろうと同じ行動を行うと思います。相手や状況によって行動が変わるということは,先行状況(A)を弁別し,結果(C)を認識する力があり,状況に合わせて行動できるといった学習する力があると言うことです。これは,最重度の知的障害のある方でも当てはまることが多く,厳しい職員の前では大人しいが,やさしい職員の前では問題行動が見られる,といったことがあります。

  このことから,学習することができるという力を活かして,正しく行動できるように随伴性を整えてあげれば良いことが分かります(正しい対応をするということ)。自分の前ではこどもがふざけたり,自分の言うことは特に聞かない,という場合は,こどもが言うことを聞くという行動を強化できていない,または,言うことを聞かずにふざける行動を強化してしまっているということです。そうであれば,こどもが言うことを聞くという正しい行動を強化して,言うことを聞かずにふざける行動を消去するように対応を変えなければいけません。

  そして,こどもは正しい行動を行って強化されるという経験を積むことによって,どのようなタイプの人の前でも正しく行動できるようになっていきます。

  ポイントは,こどもが学習する力があると言うことを前向きに受け取る,そして,ある人の前で問題行動見られることがあれば,それはこどものせいではなく,その人の対応が誤っているということなので,大人側の対応を変える必要があると言うことです。こどもがどのような人の前でも正しい行動を行って強化される経験を積むことによって,きちんとしないといけない場面では相手に関らず,適切に行動するという習慣が養われます。

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