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 行動的支援勉強ノート2 

 子育ての正解,不正解


  教室にご相談に来られる保護者の中には,「育て方を間違っていた」と言われる方がいます。障害がなくても進路選択などを間違ったかもと後悔されることがあります。保護者がそのように思われることは非常に悲しいことなので,このことを心理学の基本的な枠組みを例として考えてみます。

  心理学の実験では,実験的な操作を行う実験群と実験的な操作を行わない統制群を設けて,実験群と統制群の行動などを比較することで,実験的な操作の効果を検討します。これはプラセボを用いて薬物の効果を調べる研究でも概ね同様です。

  臨床研究も同様であり,応用行動分析学(ABA)に基づいた介入方法の効果などを調べる際は,ABAに基づく介入を行う群と行わない群(介入を後に実施する待機群など)のこどもたちの行動を比較したり,他の心理療法を行う群のこどもたちの行動と比較したりして検討します。または,介入を行わない期間(ベースライン)の行動と介入を行う期間(介入期)の行動を比較して介入の効果を検討します(一事例の実験デザイン)。

  何が言いたいかと言うと,我が子への子育ての成果を考える時に,保護者がこどもの子育てを行っていない場合や,別の人が同じこどもを子育てした場合とは比較することができないので(実験で言うと統制群との比較ができない),
正しい子育てだったのか,誤った子育てだったのかどうかなど容易に判断することはできないということです。

  また,子育ての環境は複雑であり,様々な要因が影響します。こどもは1人1人違うし,保護者も違います。もちろん生活環境も異なるので,一概に『正しい子育て』などを決めることなどできません。もし別の方があなたのこどもを育てたとしても,同じ問題や別の問題が起こっていたかもしれないし,今獲得している行動レパートリーを獲得していないかもしれません。今の環境で育つことによって,できるようになった行動や良い習慣はきっとあるはずです。

  何か問題行動やトラブルがあっても,今までの子育てが間違っていた,失敗だったとは考えないでください。良い所もあれば,もしかすると悪いところもあったかもしれません。私は保護者がこどものことを精一杯考え,こどもにとって良いと思って行う選択は正しいものだと考えています。色々迷いながらも,こどもにとってプラスになる情報は柔軟に取り入れ,前向きに進んで行きましょう。

 
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