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  応用行動分析学を勉強しよう


  1. 応用行動分析学(ABA)を
    学ぶメリット


  2. 三項随伴性と
    機能的アセスメント


  3. 強化,弱化(罰)

  コラム. 強化子を見つける大切
    さとプレマックの原理


  コラム. 「褒める」ということに
    ついて


  4. うまく行動を強化する
    ためには


  5. トークンエコノミーと
    レスポンスコスト


  6. プロンプト・フェイディング

  コラム.プロンプトを用いて
    正しい行動を強化する
    基本的な方法


  コラム. 行動を習慣化する
    ということ


  7. 消去と消去バースト 1

  8. 消去と消去バースト 2


  コラム. 「泣く」ということ

  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと1


  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと2


  9. 分化強化 1 


  10. 分化強化 2 






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 応用行動分析学勉強ノート

 トークンエコノミーとレスポンスコスト


  『うまく行動を強化するためには』に即時強化の大切さを解説しましたが、学校場面や生活場面で標的行動がみられた直後に強化子を提示するのはなかなか難しいです。また、同じ強化子を提示し続けると飽きてしまったりして強化力が弱くなってしまいます(飽和)。

  これらの問題を解決するための1つのアプローチが『トークンエコノミーシステム』です。『トークン』とは本人にとって価値のある強化子と交換できる代理物のことです。たとえば、適切な行動に対してシールをつけてあげたり、丸印のチェックをつけてあげたり、クリップを置いてあげたりすることです。これらが決められた数たまったら価値のある強化子、例えば、校長先生に褒めてもらえたり、休憩時間が5分伸びたり、好きなお菓子を買ってもらえたり、することができます。このトークンと交換できる強化子を『バックアップ強化子』と言います。
  このように事前に標的とした望ましい行動が見られたらトークンを与えますが、事前に標的とした減少させたい不適切な行動が見られた場合はトークンを没収します。このトークンを没収する手続きを『レスポンスコスト』といいますが、例えば、授業中不適切な会話をしたらトークン1つ、立ち歩いたらトークン2つなど基準を設定し、それらの行動が見られたら基準通りにトークンを没収します(負の弱化)。
  標的行動とトークンの基準、バックアップ強化子を視覚的に分かりやすく提示したり、リストを作成するなどして、いつでも確認できるようにすると良いです。

  トークンエコノミーの良いところは、実用的だということです。例えば学校で課題に従事する行動に対してトークンエコノミーを用いる場合、どんな所でも用いることができ、課題を中断せずすぐにトークンを提示することができ、周りの児童の邪魔にもなりません。また、トークンを得られる基準を高めたり(例えば、1分間課題に従事できたらトークン1つから、3分間課題に従事できたら、5分間、10分間、と伸ばしていくなど)、バックアップ強化子と交換できるトークンの数を増やしたりすることにより(例えば、トークン3枚で交換から5枚、10枚、20枚と変更するなど)、バックアップ強化子を提示する頻度を減らし『飽和』を防ぐことができます。家庭でも例えば冷蔵庫にトークンをつけるシートを貼り付けておいたりすると、こどもが事前に決めた適切な行動を示したらシートに1つチェックを入れるなどは、それほど手間がかからないと思います。

  トークンエコノミーを導入する場合、まずはシステムの意味を理解してもらう必要があります。標的となる適切な行動とトークンが得られる基準、バックアップ強化子の種類と交換できるトークン数を明確にし、視覚的に分かりやすいように工夫して、こどもにシステムを説明します。コミュニケーションが可能であれば、ある程度話し合ってこどもの希望も聞きながら、標的行動やトークン数などを決めると良いです。最初はシール2枚たまったらバックアップ強化子と交換するなど、頻繁にバックアップ強化子と交換する機会を作り、システムの意味を教えていきます。そして、徐々にシール5枚などに基準を高めていきます。こどもが理解でき、ごまかさない形式で、また紛失したりしないような環境に合わせた形式で、トークンエコノミーを用いていきます。
  トークンは学校運営にも有効であり、トークンなどの具体物を用いた強化子のほうが、微笑みとか賞賛といった社会的強化子よりも効果的であり、有利であるという報告もあります。

 【参考図書:はじめての応用行動分析】


 トークンカードの例 (はじめての応用行動分析 158頁)

  言葉だけで理解することが難しい場合は、例に示すように必要なトークン数やバックアップ強化子を視覚的に示してあげると分かりやすいです。


 トークンの例 (行動変容法入門 381頁)
 
  例に示すように、特定の行動だけではなく、複数の行動を標的とできるところもトークンエコノミーの特徴です。生活や学校場面で増やしたい行動、減らしたい行動を明確にし、表出するのが難しい行動や減少させる必要性の高い行動のポイントを大きくすることで、動機づけを高めることできます。

 トークンエコノミーの基本的な構成要素
  ・強化する望ましい標的行動
  ・トークンの種類
  ・トークンを与えるタイミング
  ・バックアップ強化子と交換されるトークンの比率
  ・トークンとバックアップ強化子を交換する時間と場所
  ・レスポンスコストを用いる場合は、弱化したい望ましくない行動


 小学生に対するバックアップ強化子の例 (行動変容法入門 384頁)
  補足:トークンが20個溜まれば(溜まったトークンを20個使えば)、10分間音楽を聴けるということ。

  飲食物やおもちゃのような具体物、活動性の強化子、学級の中で係につけるといった名誉的なものがバックアップ強化子として用いられます。バックアップ強化子はトークンとの交換以外では得られなくする方が良いです(確立操作)。また、様々な種類を用いることで、動機づけを高めることができます。



  
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