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  こども行動療育教室   ご予約・お問い合わせは TEL.06-6203-2410
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  行動的支援勉強ノート
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  はじめに

  こどもの療育で大切なこと

  行動療育で行うこと


  行動療育教室の目標

  コラム 日々の生活や集団の
  中で学習するために必要な力


  こどもとの関係づくり

  療育時間と標的スキル


  課題内容を決めるポイント

  教え方を考えるポイント

  課題の量と難易度を工夫する

  DTT? PRT?

  学習態勢を形成する1

  学習態勢を形成する2

  学習態勢を形成する3

  学習態勢を形成する4

  学習態勢を形成する5

  学習態勢を形成する6

  学習態勢の指標

  認知スキルを伸ばす


  コラム 
  認知スキル常に意識する


  弁別学習1

  弁別学習2  関連する力を
          伸ばす


  コラム 正確性と流暢性

  注意と記憶の訓練1

  注意と記憶の訓練2

  コラム 注意記憶と観察学習

  取ってくる,もらってくる,
  報告する課題


  コラム 距離を離して
       難易度を高める

  ふり遊び、見立て遊び、
  ごっこ遊び1


  ふり遊び、見立て遊び、
  ごっこ遊び2


  失敗や負けることを経験する

  こだわりを弱める

  反応クラスと分化強化

  療育場面の構造化を緩める


  こどもの成長に注目する


  がんばる力をつける


  異なる療育機関の併用


  家庭療育の難しさ1


  家庭療育の難しさ2

 <参考図書、おすすめ図書>


    
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 行動療育に関する情報

 学習態勢を形成する4 段階によって逸脱行動への対応を変える
 

  前頁で逸脱行動の消去について解説しましたが,学習態勢を形成する際の優先順位は,第1に適切に学習に取り組ませて,その行動を強化すること,第2に逸脱行動をこどもが起こしてしまったら消去すること,です。

  こどもが適切に行動しない場合(学習に取り組まない場合),「できない」と「やらない」を分けて考える必要があります。

  こどもが「できない」ことならば,十分なプロンプトを用いて,スモールステップで正しい行動を教えてあげなければいけません。しかし,こどもができるけれど「やらない」場合は,三項随伴性でこどもの逸脱行動の機能を推測し,逸脱行動を消去し,適切な行動を強化しなければいけません。

  こどものスキルや学習態勢が形成されている程度によって,こどもの逸脱行動への主な対応方法を変えなければいけないことがあります。

  療育の初期の学習態勢を形成している段階というのは,「できない」ことを教えている段階です。いきなり椅子に座って数十分課題に取り組むことができるこどもは少ないので,逸脱行動を示しても当然です。『学習態勢を形成する1』で解説したように,机上学習に取り組む行動を楽しくスモールステップで教えてあげる必要があります。

  この段階で少し難しい課題を提示したり,課題時間が長くなった時にこどもが逸脱行動を示すのは,ある程度仕方がありません。この段階では,逸脱行動を示さないように課題内容や課題量を無理のない程度にする,逸脱行動を示しそうな様子が見られたらパッと課題を終了したり,プロンプトを出したりして気持ちを切り替えさせると良いです。

  例えば10までの数を数えるような課題を行っていて,3回目くらいにこどもが数えるのを嫌がる素振りを示したら,「じゃあ先生と順番に数えよう」と言って交互に数えたり,「6から先生が数えるから5まで数えてください」と言って課題の難易度を下げたりして,逸脱行動を起こす前に気を逸らせます。先生の頭を叩きながら10まで数えさせたり,足踏みしながら数えるなど楽しい活動に切り替えて気を逸らせても良いと思います。療育の初期の段階は,逸脱行動を消去するよりも,療育場面で逸脱行動を行わせないように楽しく進める方が大切です。

  次に,一定時間落ち着いて課題に取り組めるようになってきた時に示す逸脱行動への対応は療育の初期の対応とは変わってきます。「できる」けれど「やらない」という段階です。まず,この段階でも課題内容や課題量,プロンプトの程度を考え,できるだけ逸脱行動が起こらないような配慮は必要です。しかし,この段階では,難しい課題にも取り組む,疲れてきてもがんばる,という力をつけることも標的となるため,少々しんどくても,こどもにがんばって課題に取り組ませなければいけません。

  この段階では,こどもが逸脱行動を示す前後(逸脱行動を示しそうな素振りを見せたり,示した後でも),課題内容の変更や気を逸そらせるような対応は行わず,逸脱行動を消去して最後までこちらが提示した課題に取り組ませなければいけません。例えばこどもが課題を投げたら拾って取り組ませる,席を離れたら戻らせて取り組ませる,こどもが泣いても気にせず取り組ませる(気にしている素振りは見せず,過度な対応はしない),といった対応が必要になります。

  こどもが毎回逸脱行動を示すようでは,療育場面や勉強自体が嫌いになってしまうので,逸脱行動を示したら前述のように消去しなければいけませんが,極力逸脱行動を示させないような配慮は必要です。大切なことは,こどもが逸脱行動を示さない程度,がんばることができる限界位の難しい課題や課題量を提示するということです。今のこどもの力を把握し,こどもががんばって何とか取り組める程度の課題を提示し,がんばってできたら褒めてあげて,がんばる力を高めていきます。

  こちらの提示した課題の困難さや課題量がこどもの限界を超え,こどもが逸脱行動を示してしまった場合は,上記のように消去し最後まで取り組ませなければいけません。しかし,次回のセッションでは少し課題量を減らしたり,容易にしたり,プロンプトを多くしたりして,こどもが逸脱行動を示さないように配慮します。そして徐々に課題の困難さや量を増やしていきます。

  このように,学習態勢が形成されている程度によって逸脱行動への対応は変えていかなければいけません。療育の初期の段階から,逸脱行動を消去して最後まで取り組ませる,といった対応を行うと,こどもが療育を嫌いになってしまう可能性があります。応用行動分析学(ABA)に基づいた療育は,問題行動を消去して取り組ませることが中心だと思われることがありますが,問題行動を起こさせず楽しく療育を進めることの方が大切であり,こどもの今後の学習にとっても有益です。

  療育場面ではこどもが逸脱行動を示さないように配慮して療育を進めることが大切です。ある程度学習態勢が形成されてきたら,少々逸脱行動を示しても消去して,最後まで課題に取り組ませましょう。


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