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  はじめに

  行動療育と日々の生活の中
  での教育的な関わり


  こどもの反応性を高める

  言葉の指導を始めるとき 1

  言葉の指導を始めるとき 2

  言葉の指導を進めるとき

  名詞や動詞を増やそう!

  抽象的な言葉や感情を表す
  言葉を伸ばそう!


  日常生活での声かけについて

  出来事を報告するスキル 1

  出来事を報告するスキル 2

  象徴遊びを練習する

  学んだ行動を使う環境作り

  できることを増やすという視点

  失敗してもチャンスを与えよう

  こどもの良い面に注目する

  こどもとの良好な関係を築く

  保護者もリフレッシュが大切

 






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 日々の生活の中での教育的な関わり

 こどもの良い面に注目する


  「できることを増やすという視点」が大切と解説しましたが,そのためには,こどもの良い面やできること,こどもなりのがんばりや成長に注目する,ことが大切になります。

  こどもに発達の遅れなどがあると,できないことや問題行動に目が行ってしまいます。周りのこどもたちに比べて何かができない,日々の生活でこのような問題行動に悩まされている,など。

  こどもの将来のことを考え,これらの点を何とかしてあげたいと思うことは当然だと思います。そのために,こどものできないことや問題行動に注目してしまうのは仕方がありません。しかし,マイナス面にばかり目が行ってしまうと,保護者は大変疲れてしまいストレスを感じ,また,数年しか楽しむことができないこどもの成長を見逃してしまいます。できないことや問題行動を気にしすぎて,注意や叱責が増え,家庭の雰囲気が悪くなってしまうこともあります。

  前向きにこどもと向き合い,成長を促していくためには,こどもの良い面やできること,こどものがんばりや成長に注目するという視点が大切になります。問題行動は目立つので目が行きやすいですが,こどものできることはたくさんあるはずです。落ち着いてテレビを見たり,食事をしたり,登園したり,お菓子を食べたり,など。これらは普通の行動なので注目されにくいですが,日常生活を送るためにはとても良い行動です。これらの日々の普通の行動や,些細な成長に注目することができると,こどもとの関係は良くなりやすく,保護者も前向きにこどもの成長を見守ることができます。

  何かできないことがあれば,『今はできなくても仕方がないので徐々に教えてあげよう』と考えたり,問題行動をこどもが示したら『今は少々問題行動を示しても仕方がない,もう少し状況を理解する力がついてきたら修正してあげよう』程度に考えることも大切です。今の段階で全てのスキルを獲得することは不可能だし,全ての問題行動を無くすことは難しいかもしれないためです。ある程度の気になる行動はスルーして『今日はいつもより少し落ち着いていた』,『こういうことができるようになった』,『崩れてしまったけど先月よりも少し我慢できていた』などに注目できるようになると,気が楽になると思います。

  良い面に注目するということは理想やきれいごと,保護者の育児ストレスの低減のためだけではなく,教育的にも大切なことです。私は様々なご家族と関わらせていただくことから,保護者が注目する行動,保護者が気にする行動は増えていきやすいと考えています。保護者がこどもの問題行動を過度に気にしていると,問題行動は強まる可能性が高いと思います。これは,こどもの気になる行動に対して何かしらの反応をするため,強化してしまっているためだと思います。例えば,保護者の表情が変わったり,注意したり,「どうしてそんなことをするの」と繰り返し話したりするなど。

  保護者の反応が得られると,その行動は増えていきやすいため,問題行動を気にする保護者は問題行動に反応してしまい,知らず知らずのうちに強化してしまっていると思います。ある程度の問題行動や気になる行動を,今は仕方がない程度に考えて軽くスルーすることができれば,問題行動は強まらず自然と無くなっていくことがあります。

  逆に,適切な行動も保護者の反応が得られると増えて行くと考えることができるため,こどもの良い面に注目することができれば,自然とこどもの良い行動やがんばりに反応し,強化することができます。

  そんなに悠長なことを言ってられない,と思われる保護者もいると思いますが,悪い面はできるだけスルーして,良い面に注目する,ということは長期的に見ればこどもの成長を促し良い面を伸ばすことにつながります。できるだけこどもの良い面や成長,こどもなりのがんばりに注目し,前向きで教育的な日々を送れるように心がけていきましょう。


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