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 日々の生活の中での教育的な関わり

 
学んだ行動を使う環境作り

  療育などで学んだ知識や行動も日常生活で使う機会がないと忘れてしまったり,上手く使えなかったりすることがあります。専門的には『行動の般化と維持』と言いますが,学んだことを様々な場所や人に対しても用いることができ,定着させていく必要があります。名詞や動詞などを日常生活で自然と学ぶと忘れることは少ないですが,療育で学んだ単語は忘れてしまうことがあります。定着するまでに触れる機会の少なさが1つの原因だと思います。

  学んだ知識や行動を般化させ定着させていくためには,学んだことを様々な場面で実際に使い,日常生活でその行動が上手く働く場面を経験することです。上手く働くというのは簡単に言うと普通に使ったり,相手に伝わったり,役立ったりする場面を多く経験するということです。特別な褒め言葉やお菓子などの強化子がなくても普通に行動し,自然な結果が伴うことによって,その行動は強化され維持されます。例えば,エレベーターの6Fのボタンを押して6Fに着くことができればエレベーターのボタンを押す行動が強化され,改札機に切符を通すことで改札機が開けば切符を通す行動が強化され維持されます。字が書けることでボールペンで字を書くことが強化され,紙が切れることでハサミを使って切ることが強化され,目的地に着くことで歩くことが強化される訳です。

  学んだことを日常生活の自然な文脈で使い(引き出し),上手く働く(強化される)場面をたくさん作っていきます。

  人に反応したり働きかけたりするということを指導していたら,こどもの働きかけにしっかり反応を返し,自然な文脈でこちらからの声かけに反応させる機会を作ります。要求言語(物の名称や「~ちょうだい」)を指導したら,日常生活で物や活動の要求場面を作ります。「クッキーちょうだい」と言ってクッキーがもらえるような場面です。絵カードやフィギュアを用いて物の名称を指導したら,スーパーや動物園などで実物を見て「プリン取ってきて」,「ぞうさん大きいね」などと学んだ言葉を使ってやり取りする機会を作ります。物の扱い方を学んだら,その扱い方が含まれる遊びやお手伝いなどをします。

  色の概念を学んだら,「赤い靴を履こう」,「赤いピーマンどこかな?」などと色に注目したり選択したりする機会を作ります。「これは何色?」などと聞いて答えてもらうこともありますが,自然なやり取りの中で色を用いて,自然に反応してもらうことも良い経験になります(「赤いピーマンどこかな?」と言われて取って来るなど)。

  友達の名前を学んだら園などで「○○君に××渡してきて」と先生に言われて渡しに行ったり,渡しに行ったときに「○○君これどうぞ」と言って渡すなどして,日常生活の中で自然と友達の名前を用いる場面を作ります。「〇〇君おはよう」と挨拶をしたら挨拶が返ってくるなども学んだ知識が上手く働く良い経験です。

  行動の原因と結果を理解することが難しい段階では,学んだ知識や行動が見られたら積極的に褒めてあげる必要はありますが,学んだ行動が普通に使えて自然と上手く働く場面をたくさん経験させてあげることによって,行動や知識が定着し,日常生活に般化していきます。日常生活で少し工夫して,学んだことが使える環境を作っていきましょう。


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