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  勉強ノート2 はじめに

  応用行動分析学(ABA)とは?

  行動は変わるということ

  障害特性と教育について


  叱責することのデメリット

 
 教育的支援の基本

  コラム.行動の見方と教育的支援

  注意力・集中力の問題

  習い事について

  物理的な環境調整や
  スケジュールについての考察


  刺激や活動を制限すること
  について

  何が誰にとって問題行動
  なのか?


  集団適応を阻害しやすい
  問題行動


  相手によって行動が変わる
  ことは悪いこと?


  進学、学校選びについて

  専門家の「少し様子を見ましょ
  う」というコメントについて


  専門家の「愛情不足」という
  コメントについて


  恐怖感や過敏な反応への対応

  コラム.自己刺激行動や過敏な
    反応について:疲れやスト
    レスとの関係


  切り替えの弱さへの支援

  渋々でも納得する力

  思いやりや人に親切にする
  行動について


  子育ての正解,不正解

  障害の受容について

  行動理論を理解してもらう


  行動的支援勉強ノートとABA
  にもとづいた支援について



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 行動的支援勉強ノート2 

 思いやりや人に親切にする行動について


  よく保護者の方から,こどもに思いやりのある行動や人に親切にしたり優しくする行動が見られないと相談を受けることがあります。そのような親切行動がみられなければ,もしかして性格が悪いのかな?と心配されるようです。そして,優しい気持ちがあれば人には優しくするものという思い違いをされている方が多いです。

  人にやさしく接する行動が見られなくても,それはスキル不足や経験不足が原因である可能性が高いため,その他の行動と同様に人にやさしくする行動,親切行動を教えてあげるという考え方が大切です。そして,単純な概念を学習したり,物の名前を覚えるよりも,親切行動を自発するには高度なスキルが必要なことがあります。こどもに優しい心がないと考えなくて良いということです。

  例えば,私たちが電車で『高齢者に席を譲る』という行動を考えてみます。A-B-Cの三項随伴性で考えると,『A:電車で座っていて,近くにおじいさんが立っている‐B:席を譲る‐C:おじいさんにお礼を言われる』,という随伴性が考えられます。その時の『B:席を譲る』という行動は,お礼を言われたり,社会的ルールを守ったという気持ちで強化されていたり(正の強化),席を譲らない罪悪感を避けられたという結果(負の強化)などで強化され維持していると考えられます。

  『電車で席を譲る』という親切行動が形成され,維持されるには,社会的ルールを守るということを学習しなければならず,席を譲るように保護者に促され席を譲って保護者に褒められたり,テレビや実際場面で席を譲ってお礼を言われている人の行動を見る経験が必要になります(モデリング,観察学習)。

  また,席を譲る人を弁別する力や(高齢者,怪我をしている人,妊婦さん,顔色などを見極める),状況を理解する力(他に空いている席がない),我慢する力(座っているほうが楽だけど立つ),声のかけ方やタイミングも学ばないといけません。

  つまり,『電車で席を譲る』という行動も,ただ親切な心があるだけでできるわけではないということです。対象を見分けたり,状況を理解したり,他者の行動をモデル学習したり,適切に声をかける認知スキルや言語スキルがなければ席を譲る行動は生起し難いです。また社会的なルールを守るということも学習しなければいけません。親切行動には,空気を呼んだり(状況理解),相手の気持ちを察したり,顔色をうかがったり,といった高度な認知スキルが必要な場合もあります。

  このように,席を譲ったり,体調の悪い人に声をかけたり,お菓子を分けてあげたりする親切行動は,様々な前提となるスキルが必要であり,親切行動が強化される経験を積まなければいけません。

  そのため,こどもに親切な行動が見られなくてもこどもの性格が悪いとは考えず,必要な認知スキルや言語スキルを段階的に指導し,親切行動を見せてあげ(モデリング),実際に行動させて強化する,というように親切行動を他の行動と同様に教えてあげるという考え方が大切になります。まだ対象とするには早いようであれば,もう少し前提となる力がついてから教えてあげれば良いです。日常生活では,人に親切にする行動をしっかり見せてあげたり,十分なプロンプトを与え,少しでもこどもが親切にできたらしっかり褒めてあげて下さい。

  ある程度前提となる認知スキルや言語スキルが獲得できれば,療育場面や家庭で場面を設定し(お父さんがおじいさん役をして,電車で席を譲る場面を作るなど),親切行動を練習していきます(『日々の生活で社会性を伸ばす:SST』参照)。




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