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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 園や学校での支援 1 参加を促す


  園や学校での授業中の問題行動に関する相談を受けることがあります。授業中の立ち歩きや私語,教室の飛び出し,課題に取り組まないなど様々な問題が見られることがあります。

  就学時に通常学級や特別支援学級,特別支援学校のどこに進むのかは大きな選択になると思います。どのような環境が最もこどもの成長につながるのかという研究は多く行われており,まだ明確な答えは出ていませんが,健常児のいる環境にただ入れてしまうだけではなく,適応に必要な支援を受けながらインクルーシブな環境で教育を受けることが最も成長に良いと報告されています。

  授業中の問題行動に話を戻すと,基本的で大切なことは,こどもができること,取り組めることを準備し提示する,またこどもが取り組むために必要な支援,配慮を行い取り組める時間を増やすことです。これは机上の学習や作業,行事の練習など共通して言えることです。問題行動へ対応を考える前に考えなければならない大切なことです。

  当たり前のことと思うかもしれませんが,通常学級に在籍し授業を受けているけれど,授業内容や先生の言っていることが理解できていないこどもがいます。

  何をしているか分からない状況で40分から50分過ごすのは非常に苦痛です。私たちも,例えばフランス語で授業が進んでいて,先生が何を言っているか,黒板に何が書かれているか分からないクラスだったら,すぐにくたくたになり興味をなくしてしまうと思います。手遊びや落書きを始め,翌日にはもうその授業にはいかないでしょう。

  それはこども達も同じで,理解できない授業が進んでいたら,話しだしたり,立ち歩いたり,自己刺激行動や常同行動にふけったり,教室を出て行ったりと,いわゆる問題行動と言われる行動を行うでしょう。そのような状況で,静かに座っていなさいという方が酷です。何をしているか分からないけど静かに座っているおとなしいこどももいますが,それは目立たないだけで成長にとってはプラスになっていないと考えた方が良いです。

  そのような問題行動が起こっても仕方がないようと考えられるような環境でも,そのこどもが問題児のレッテルを張られたり,ひどく叱責されてしまうことがあります。授業中に問題行動が見られたら,その対応方法などを考える前の段階として,以下のことを見直し,必要であれば改善する必要があるかもしれません。

・ こどもが理解できる授業内容であるか?
・ どの程度理解できていて,どの程度理解できていないのか?
・ 指示の出し方や説明の仕方は適切か?
・ こどもは見通しは持てているか?
・ 課題の難易度や量は適切か?
・ こどもは『楽しさ』または『やりがい』を感じられているか?

  少しフォローがあれば理解できるような内容であれば,必要なヒントを提示してもらったり,加配の先生やスクールサポーターの学生についてもらい,授業内容が理解できるような支援を行う必要があります。もし,フォローがあっても理解できないような内容であれば,特別な課題を用意してもらうか,そのような支援が受けられなければ特別支援学級で個別の指導を受けた方が良いです。

  通常学級で同年代のこども達と同じ授業を受け,かかわりを持つことは社会的スキルを学習する機会も増えるので大切なことですが,何も内容の分からない授業でただ座っているだけという状況があれば,それはこどもの成長の助けにはならず,ただ苦痛なだけです。それならばその授業だけでも取り出してできることに取り組ませてあげるようにした方が良いですし,特別支援学級に在籍した方が得られることが多くなる可能性があります。保護者の教育方針や学校側の方針,得られる援助などにより変わってきますが,こどもが学習する機会が得られない時間は極力なくしていく必要があります。

  何かに取り組める時間が増えれば問題行動は減少します。取り組むことのできる課題や活動を用意すること,必要な手助けをしてあげることが前提になります。そして,注意が弱いこどもの場合は,三項随伴性(A-B-C)の先行条件(A)と結果(C)をこどもが理解できる形でより明確に示してあげる必要があります。

  私の個人的な考えとしては,可能で有れば通常学級に在籍することをすすめています。それは,上で書いたような社会的な学習の機会を得られる可能性が増えるためと,特別支援学級や特別支援学校でも専門的な教育が受けられるか分からないからです。しかし繰り返しになりますが,通常学級の授業で何をしているか分からず特別な支援も受けられなければ,成長にとって好ましい環境とは言えません。それならば,少しがんばったらできるようなことに取り組むことができ,できたことを褒めてもらえるような成長につながる環境で教育を受けた方が良いと考えます。


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