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 個別療育の進め方

 
療育での教え方を考えるポイント

   様々な行動やスキルが療育で対象となりますが,全ての行動に関して教え方のマニュアルがある訳ではありません。様々な生活場面で”こういうことができたら良いのに”とか”これは止めて欲しいな”と思うことは多々あると思います。また,教え方はこどもの興味や学習態勢などよっても異なってきます。

  何か1つの行動を標的として指導しこどもに教える場合の基本的な考え方は,単純に聞こえますが,“こどもが正しい行動を繰り返し経験する”ということが大切です。正しい行動を標的行動として,どうしたらこどもが『逸脱せずに』,『機嫌よく』行うことができるかを考えます。この考え方が療育やスキル訓練,日常での教育的支援の基本です。正しい行動をこどもに繰り返し経験させるために,スモールステップで教えたり,モデルを見せたり,視覚的支援を用いたり,正しい行動を強化したり,環境調整を行ったりと工夫していきます(『コラム プロンプトを用いて正しい行動を強化する基本的な方法』も参照)。

  まず標的行動をこどもが行うために必要なプロンプト(手助け,支援)を考えます。どのような手助けや配慮でこどもは標的行動を行うことができるのか?体を誘導してあげれば良いのか,手本を見せてあげれば良いのか,目印をわかりやすくしてあげれば良いのか,指示の声を大きくしてあげれば良いのか,指さしをしてあげれば良いのか,絵カードで示したら良いのか,要求場面を作ってあげればよいのか,理由を説明してあげればよいのか,動機づけを高めてあげれらよいのか,など。そして,標的行動が見られたらしっかり反応を返し強化します。

  アイコンタクトを指導するなら,どのようなプロンプトでアイコンタクトやそれに近い行動を行うことができるか,要求語を指導するなら,どのようなプロンプトで要求語(例えば「ちょうだい」)やそれに近い言葉(例えば「ちょ」)を出すことができるかを考えます。食事を正しく食べるなら,お片付けをするなら,友達と遊ぶなら,ゲームのルールを守るなら,手をつないで歩くなら,挨拶をするなら,我慢をするなら,注意を向けるなら,記憶するなら,行動を切り替えるなら,朝の準備を時間通りにするなら,教室で座って授業を受けるなら,電車で静かにするなら,など。様々な行動の教え方を考えるステップは大きく変わりません。

  最終的な目標となる行動を標的とすることが難しい場合は,目標行動につながる行動をスモールステップで指導していきます。ハードルが高いとこどもが逸脱行動を示し学習に時間がかかってしまうため,目標行動につながる行動を段階的(スモールステップ)に考え,無理なくできそうなところから始めていきます。全ての玩具を片付けることが目標行動であれば少し片付ける行動を行うところから始めていきます。会話中にアイコンタクトを続けることが目標行動なら,少し顔を向ける,少し相手の目を見るところから。外出中に手をつないで歩くなら決まった場所まで10mくらい手をつないで歩くところから。必要なプロンプトを用いて,それらの標的行動をこどもが示せば,笑顔で反応してあげます。簡単な行動が出てきやすくなってきたらプロンプトを弱め,次のステップに進み,要求を少し高くします。20m手をつないで歩くなど。

  行動を0から教えていく場合は,モデル提示や身体プロンプトなどの強めのプロンプトを用いて無理なくできる行動から行わせていきます。

  このように,ある行動をどのように教えるのかを考えるとき,こどもが機嫌よく行うことができるように工夫することが大切です。こどもが無理なく取り組むことができる段階から,十分なプロンプトで正しく行動させて,その行動を強化し,プロンプトを弱めて,スモールステップで目標に近づけていくという方法が基本です。そして、それぞれの段階で身についた行動を日常の中で繰り返し経験させていきます。できるようになるだけでは不十分であり、繰り返し経験して自然と無理なくできるようにならなければ習慣となりません。

  どのような行動を標的行動とするか,どのようにステップを設けるかなどは専門家のアドバイスがあった方が良いと思いますが,基本的な教え方が身につけば,特にマニュアルなどなくても色々な行動を教えていくことができます。


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