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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 ルールを決めて、守るということ 2


  こどもが言うことを聞かない,というご相談を受ける多くのケースでは,ご家庭のルールが不明瞭であったり,行動の結果,つまり保護者の対応が一貫していないことが多いです。極端な話をすると,こどもの行動に保護者がコントロールされてしまっていることがあります。例えばこどもに「お風呂に入りなさい」と言った時に,すぐに入るときがあれば中々入らない時もある,また,中々入らない時に保護者が怒る時があれば怒らず放っておく時があるなど。保護者の対応がその時毎に異なり一貫していなければこどもの行動は安定せず,いわゆるわがまま行動が増えていきます。日々の生活でルールを決めてこどもに守らせる,こどもへの対応をルール通りに一貫するということが大切です。

  応用行動分析学(ABA)の考え方で言い換えると、ABCの三項随伴性をより明確にするということが大切です。(A)どういう状況で、(B)どういう行動を示すと、(C)どういう結果が伴うか、という三項随伴性を紙に書くなどして明確にルールとして示すこともあります。『トークンエコノミーとレスポンスコスト』を参考にこどもと一緒にルールを考えても良いです。

  発達の遅れや注意の問題があり,必要な刺激に注意が向きにくかったり(保護者の声かけや時計など),切り替えが苦手だったりするこどもの場合は特に,先行条件(A)を明確にし,ルールを守りやすいような配慮が必要になるかもしれません。例えば,切り替えるタイミングを明確に示して準備させる(アニメが終わったら歯を磨くと事前に繰り返し伝えたり,絵に描いて示しておくなど),こどもが抵抗する前に正しい行動をさせる(服を着替えるのを嫌がりそうならササッと保護者が服を脱がせて着させる,歯磨きを嫌がりそうなら保護者が体を持ってサッと磨いてあげる),など。

  ポイントは明確にルールを示し,分かりやすい指示や手がかりといった十分な手助けによって適切な行動を行わせる,そして,適切な行動を積極的に認め,強化するということです。ルールの中に,ルールを守ったら得られる強化子を決めておいても良いです。1週間ルールを守られたら,公園に遊びに行くなど。

  このような経験を小さいときから積み,決められたルールを守る,親の言うことは聞く,やらないといけないことはやる,ということが当たり前になれば,大きくなってからこどもが言うことを聞かないという問題を防ぐことができます。

  保護者の言うことに全て抵抗するようになってしまっている場合は,守られそうな簡単なルールから始めて,ルールを守るという経験を積ませます。こどもが抵抗無く簡単にできること,例えば,食事をしたらお茶碗だけは台所に持っていく,お風呂上りに保護者の肩叩きをする,金魚に餌をあげる,など。簡単なルールを決めて守ることができたらしっかり褒めてあげ,それ以外のことは大目にみます。そして,徐々にルールを増やしたり,より気になっていることを対象としていきます。

  発達の遅れや注意の問題があっても,随伴性を明確にして,適切な行動を強化することで,ルールを守る行動は増えていきます。サマーキャンプなどによって短期間で集中的に(徹底的に)適切な三項随伴性を経験させることによって、ADHDのあるこどもの適切な行動が増えるということも報告されています。保護者は,生活全般にわたってこどもに適切な三項随伴性を頻繁に経験させる(適切な行動に注意を向け強化する頻度を増やす)ことによって不適切な行動を低減させ、適切な行動を増やしていくことができます。



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