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 行動的支援勉強ノート2 

 刺激や活動を制限することについて


  こどもが問題行動を示した時,問題行動の対象となる刺激や問題行動が生じた際の活動を制限するという対応を取ることがあります。例えば,椅子を倒すから椅子を部屋から無くす,話しかけると機嫌が悪くなるので話しかけない,電車の中で大きな声を出したり飛び跳ねるので電車に乗らない,お菓子を勝手にとるのでお菓子売り場には連れて行かない,など。

  自分や周りの人を傷つけたり,周囲に迷惑をかける場合,一時的に刺激や活動を制限する対応が必要な場合はありますが,それでは根本的な解決にはなりません。支援の方向性は社会適応を目指すことであり,できるだけ制限の少ない環境で生活することです。刺激や活動を制限する方向に支援を進めると,極端な話,ずっと何もない部屋で何もせずに生活するということになってしまいます。

  刺激や活動を制限することを極力避け,一時的に刺激や活動を制限したとしても,徐々にその制限を無くし,通常の環境で落ち着いて生活できるようにしていかなければなりません。

  問題行動を減少させるためにはA-B-Cの三項随伴性で問題行動の機能を予測し,対応方法を考えます。問題行動は消去して無くしていく必要がありますが,合わせて,その場面(刺激や活動)での適切な行動を強化して増やしていくことが大切です(分化強化)。

  上の例で言うと,椅子を倒すという問題行動であれば,椅子に座る行動,例えば,椅子に座ってテレビを見る,椅子に座ってお菓子を食べる,椅子に座って遊ぶ,という行動を強化して増やしていきます。椅子に座って楽しくできる活動を行い,短時間でもこどもが落ち着いて座ることができればしっかり褒めてあげます。電車の中で大きな声を出したり飛び跳ねるのであれば,近くの駅でこどもが喜ぶものを見つけ(ハンバーガーを食べたり,スーパーのお菓子売り場でお菓子を買うなど),一駅でも静かに電車に乗る練習を行い,こどもが喜ぶ結果を与えます。トークンエコノミーが活用できれば強化しやすくなります。

  問題行動が生じやすい場面において,十分なプロンプト(手助け)を用いて適切な行動を行い,強化される経験を増やすことが大切です。まずは短い時間や簡単な行動から始め,スモールステップで徐々に時間を伸ばしていきます。

  刺激や活動を制限するだけでは,その場面で適切な行動を行い,強化される機会が無くなってしまいます。活動が制限され生活の幅が狭くなると,社会的学習の機会も制限されてしまいます。刺激や活動を制限すればするほど刺激や活動,その変化に対する柔軟性が養われません。刺激に過敏に反応してしまったり,変化への抵抗が強くなり,問題行動が強まるという悪循環に陥ってしまう可能性もあります(「柔軟性,変化への耐性を養う」参照)。

  さまざまな問題行動を示すことがありますが,できるだけ刺激や活動を制限するという方向ではなく,その場面で適切に行動できるように計画を立て教育的に支援を行う必要があります。

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