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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 色々な取り組みを計画するときのコツ


 
ルールや目標を決めてチェックシートで記録したり,トークンエコノミーで評価したりといった取り組みを行う場合,評価の仕方や基準について悩むことがあると思います。

 1つのポイントは,
『こどもを褒めてあげられるように計画する』というものです。様々な取り組みは,望ましい行動やルールを身に着けたり,トラブルを少なくしたりすることが目標ですが,こどもを褒めてあげる機会を増やす取り組みと考えても良いと思います。そのためには,こどもの成功体験につながる目標設定や評価方法を考えることになります。

 目標設定に関しては,今のこどもが無理なくできる行動や少し頑張ったらできる行動を目標とします。まったく活動に参加できていないこどもに全ての活動に参加するという目標を設定しても難しいでしょう。『近くに座って活動を見る』や『一部だけ参加する』という目標であれば成功し,褒めてあげる機会を作ることができます。活動のビデオを見たり,お家で保護者と練習したりするころから始めても良いかもしれません。

 評価方法に関しては,例えば『学校で暴力を振るわない』という目標の場合,一度手が出たらその日は×になってしまう評価方法では,がんばって我慢していても不意に1回手が出てしまったために×となり,×の日が続いて失敗体験が積み重なってしまう可能性があります。これでは,こどもを褒めてあげる機会にならず,こどものがんばりや成長が評価に結びつかない可能性があります。

 例えば小学校であれば,1・2時間目/3・4時間目/昼休み・5・6時間目,と3つに分けて評価すると,一度昼休みにトラブルがっても,〇,〇,×,と2/3で〇をつけてあげることができます。0%,33%,66%,100%とグラフにすると変化が少し分かりやすいです。休憩時間などにトラブルが多い場合は,朝の時間/1・2時間目/中休み/3・4時間目/給食/昼休み/5・6時間目/放課後,と8個に分ければ,より変化が分かりやすく,こどもの頑張りが反映しやすいです。評価が細かくなるほど評価する人の労力が増すので,あまり負担がなく継続可能なところで折り合いをつけて進めていきます。×があったとしても〇があることを褒めることができ,〇が増えたことを一緒に喜べるような評価方法を計画します。

 こどもを褒めてあげる機会を増やす,こどもが成功体験を感じる機会を増やす,ことをポイントに目標や評価方法を計画することによって,前向きな取り組みにつながりやすいと思います。


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