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【カウンセリングルーム/こども行動療育教室】 〒541-0041大阪市中央区北浜3丁目5-19 淀屋橋ホワイトビル5F TEL.06-6203-2410 |
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勉強ノート目次 |
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軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援 | ||
![]() 園や学校での問題行動に関する相談を受けることがあります。立ち歩きや私語,教室からの飛び出し,課題に取り組まない,友達とのトラブルなど様々な問題が見られることがあります。 就学時の進学先は大きな選択になると思います。どのような環境が最もこどもの成長につながるのかという研究は多く行われており,まだ明確な答えは出ていませんが,健常児のいる環境にただ入れるだけではなく,適応に必要な支援を受けながらインクルーシブな環境で教育を受けることが最も成長に良いと報告されています。 問題行動への対応の前に考えなければならない支援の基本は,こどもができることや取り組めることを準備し,こどもが上手く取り組むための支援を行い,成功体験を通して課題や活動に取り組める時間を増やすことです。これは机上の学習や作業,休憩時間,行事の練習など共通して言えることです。 当たり前のことですが,通常学級に在籍し授業を受けているけれど,授業内容や先生の言っていることがほとんど理解できていないこどもがいます。 何をしているか分からない状況で40分から50分過ごすことは非常に苦痛です。私たちも,例えばフランス語で授業が進んでいて,先生が何を言っているか,黒板に何が書かれているか分からないクラスだったら,すぐにくたくたになり興味を失ってしまうと思います。手遊びや落書きを始め,翌日にはもうその授業にはいかないでしょう。 こども達も授業中に,理解できない内容や上手くできない課題,何をしたらいいか分からない時間があれば,話しだしたり,立ち歩いたり,自己刺激行動や常同行動にふけったり,教室を出て行ったりと,いわゆる問題行動と言われる行動を行うでしょう。そのような状況で,「静かに座っていなさい」と注意する方が酷です。何をしているか分からないけれど静かに座っている大人しいこどももいますが,それは目立たないだけで成長にとってはプラスになっていない可能性があります。 問題行動が起こっても仕方がないと考えられるような環境でも,そのこどもが問題児のレッテルを張られたり,ひどく叱責されてしまうことがあります。授業中に問題行動が見られたら,その対応方法などを考える前の段階として,以下のことを見直し,必要であれば改善する必要があるかもしれません。 ・ こどもが理解できる授業内容であるか? ・ どの程度理解できていて,どの程度理解できていないのか? ・ 指示の出し方や説明の仕方は適切か? ・ こどもは見通しは持てているか? ・ 課題の難易度や量は適切か? ・ こどもは『楽しさ』または『やりがい』を感じられているか? 授業が少しのフォローで理解できる内容であれば,担任の先生の声かけや加配の先生の手助けといった,授業内容の理解につながる支援を行う必要があります。もし,フォローがあっても理解できない内容であれば,特別な課題を用意してもらうか,特別支援学級で少人数の指導を受けた方が良いです。参加を通して成長を促すことが園や学校の中心的な役割であり,何かに取り組める時間が増えれば問題行動は減少します。 通常学級で同年代のこども達と同じ授業を受け,かかわりを持つことは社会的スキルの学習にもつながる大切なことですが,内容が分からない授業にただ座っているだけという状況は,こどもの成長の助けにはならず,苦痛なだけです。それならばその授業だけでも取り出してできることに取り組ませてあげる方が良いだろうし,特別支援学級に在籍した方が得られることが多くなる可能性があります。保護者の教育方針や学校側の方針,得られる援助などにより変わってきますが,こどもが学習する機会が得られる時間を増やしていく必要があります。何かに取り組める時間が増えれば問題行動は減少します。 進学先を考えるときも,こどもの学習の機会が得られるかどうか,参加できる機会が得られるかどうかがポイントになります。私は可能で有れば通常学級に在籍することを提案することが多いですが,通常学級の授業で何をしているか分からず特別な支援も受けられなければ,成長にとって好ましい環境とは言えません。それならば,少しがんばったらできるようなことに取り組むことができ,成功体験を通して成長につながる環境で教育を受けた方が良いと考えます。 <<前の頁 次の頁>> 行動的支援勉強ノート 目次 参考図書 おすすめ図書 みどりトータルヘルス研究所 こども行動療育教室 みどりトータルヘルス研究所 カウンセリングルーム |
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