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  応用行動分析学を勉強しよう


  1. 応用行動分析学(ABA)を
    学ぶメリット


  2. 三項随伴性と
    機能的アセスメント


  3. 強化,弱化(罰)

  コラム. 強化子を見つける大切
    さとプレマックの原理


  コラム. 「褒める」ということに
    ついて


  4. うまく行動を強化する
    ためには


  5. トークンエコノミーと
    レスポンスコスト


  6. プロンプト・フェイディング

  コラム.プロンプトを用いて
    正しい行動を強化する
    基本的な方法


  コラム. 行動を習慣化する
    ということ


  7. 消去と消去バースト 1

  8. 消去と消去バースト 2


  コラム. 「泣く」ということ

  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと1


  コラム. 消去を行う時に
    大切なこと2


  9. 分化強化 1 


  10. 分化強化 2 






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 応用行動分析学勉強ノート

 応用行動分析学(ABA)を学ぶメリット


 
 発達 発達障害のあるこどもの保護者や発達支援を行う専門家が応用行動分析学(ABA)を学ぶメリットを考えていきます。

  1点目は、発達障害のある人の行動を理解する手助けとなる点です。発達障害のある人は様々な行動を示します。その中には、周りのこども達があまり示さないような行動(常同行動やこだわりなど)や困った行動(自傷、他害、自己刺激行動など)があります。その行動の原因や理由が理解できなければ保護者は混乱してしまうでしょう。こどものことを大切に思って日々子育てをしていても,誤った対応をしてしまう可能性もあります。自閉症やADHDだからこういった問題行動を示すといった個人攻撃の罠に陥ってしまうかもしれません(『行動の原因を環境に求めることのメリット』参照)。

  その時、『行動の見方』や『なぜ発達障害のある人たちに問題行動がみられやすいのか』に書かれた内容が理解できていれば、ABCの三項随伴性により、こどもが示す理解し難い行動の理由や原因を推測することができます。こどもの行動を理解する助けとなるでしょう。

  2点目は、応用行動分析学(ABA)を学び、適切な行動を増やして不適切な行動を強めないようなかかわりを日々行うことによって、強度な問題行動やわがまま行動が行動レパートリーとして獲得されることを未然に防ぐことができる点です。問題行動が非常に強くなったり,こどもが大きくなって力が強くなっても問題行動が継続していれば,対応は困難となり,生活の幅は狭まってしまいます。小さいときから問題行動を強めないかかわりをすることが大切です。

  3点目は,日々のかかわりを通してこどものできることを増やしてあげることができる点です。適切な行動が増えてくると問題行動は減少し,こどもが楽しめることも増えていき笑顔も増えていくでしょう。活動の幅も拡がり,社会的学習の機会も増えていきます。

  こどもの行動が理解できず,上手く成長させてあげられているという実感が持てなければ,保護者は子育てに強いストレスを抱え,無力感を感じるかもしれません。応用行動分析学を学ぶことにより、こどもの行動を理解することができ、問題行動を改善するための手立てを考え,こどもの良い行動を伸ばし成長を促すようなかかわり方ができれば、発達障害のあるこどもの子育てや支援にかかるストレスが低減し保護者も前向きになると思います。

  個別の療育や専門的な訓練は大切ですが、最も大切なことは保護者との日々のかかわりです。こどもは限られた勉強場面だけで学習しているわけではありません。日々の保護者や兄弟や支援者とのかかわり、同年代のこどもたちとのかかわり、遊び、食事、買い物や電車に乗るといった日常生活の中で多くのことを経験し、社会的な学習をしていきます。それは毎日起きてから寝るまでなので,特別な学習場面よりも時間が長く、学習の機会はたくさん存在します(また、学習の機会がたくさん存在するようにしてあげることができます)。

  学習の機会があるということは,良い行動も悪い行動も学習する機会があるとも考えられます。例えば、不適切な行動で要求が通ったり、言葉を用いる必要がないような生活を送っていると、不適切な行動が増えていき、適切な行動が形成されません。つまり、なぜ特定の行動が形成されるのか,または,形成されないのかという応用行動分析学の知識があれば、日々の生活でこどもの適切な行動を増やしていくような教育的なかかわりができるということです。

  発達支援を行う専門家が応用行動分析学(ABA)を学ぶメリットもたくさんあります。

  上で述べたような行動の理解の仕方と日々の適切な関わり方を保護者や関連領域で働く人たちにアドバイスできるという点はもちろんですが、行動理論や行動の記録方法、一事例実験デザインを学ぶことにより、様々な介入技法やマニュアルのメカニズムや根底にある行動理論、そして自身の臨床行為の効果を検討することができ、応用が可能になります。専門家である以上、ただ特定のアプローチをマニュアルに沿って実施できるだけではいけません。それは専門家でなくてもマニュアルが読める人なら誰でもできます。

  例えば、応用行動分析学(ABA)をベースとしたアプローチの1つであるPECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)を例に挙げると、PECSにはしっかりしたマニュアルがあり、関連書籍も出版されています。そのようなマニュアルに沿って実施すると、誰でもある程度適切に実施することができます。しかし、そのベースとなっている行動理論を知らなければ、上手くいかない場合の応用ができず、こどもや家族の生活に合わせて優先順位を立てたりマニュアルに載っていないような修正を行うことは難しいでしょう。

  また、行動の記録の仕方や実験デザインを知らなければ、どの程度介入に効果があったのか、介入方法を少し修正したり追加した時にどのような変化が見られたのかを客観的に評価することができません(主観的な評価には危険が伴います)。介入の効果を客観的に評価できれば、今の介入が正しいのか、どのような修正が必要なのかを検討することができます。また、自分が専門としていない介入技法の効果やメカニズムを検討することも可能となります。

  このように、発達障害のある人の保護者や関わる人たちそれぞれの立場で、それぞれ応用行動分析学(ABA)を学ぶメリットはたくさんあります。応用行動分析学の基本となる考え方は単純で明快なので、きっと日々の生活や臨床活動に役立つと思います。

  
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