みどりトータルヘルス研究所
                                                                      
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はじめに 行動療育について 勉強会や講習会
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  行動的支援勉強ノート
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1‐1.行動科学を勉強しよう

 
1‐2.基本となる考え方
    将来に向けての目標


 
2‐1.行動レパートリーと活動
    
レパートリーを増やす


 
2‐2.活動レパートリーを
     増やすメリット


 2‐3.どのように活動レパートリー
     を増やしていくか


 
2‐4.行動レパートリーと
    
問題行動の関係

 コラム 物を落としたり倒したり
     
する行動


 3‐1.行動の理解と対応

 
3‐2.行動の見方:三項随伴性

 
3‐3(1).行動の原因を環境に
    求めることのメリット1


 
3‐3(2).行動の原因を環境に
    求めることのメリット2


 
3‐4.代表的な問題行動の機能
    と形成されるメカニズム


 3‐5.なぜ発達障害のある人に
    問題行動が見られやすい
    のか?


 
3‐6.問題行動が強まる
    メカニズム


 
3‐7.日常生活で問題行動を
    
強めないために


 コラム 環境の変化と消去

 
3‐8.問題行動が長期間維持
    
されるメカニズム

 
3‐9.こだわり,自己刺激行動
    への対応について


 コラム こだわりと遊びの境目

 
3‐10.適切な行動レパートリー
    
を増やす


 
3-11.教育的な視点を持った
     問題行動への対応


 コラム 教育的で前向きな支援

 
3‐12.問題行動への対応を
    考えるステップ


 コラム 問題行動への対応の工夫

 
行動の理解と対応 まとめ

 
4-1.日々の関わりで大切なこと
    将来を見据えて大切なこと


 
4-2.指示の出し方,制止の仕方

 4-3.家庭での療育活動の 
    ポイント


 4-4.柔軟性,変化への耐性を
    養う


 
4-5.食事に関する行動

 4-6.自身の行動もこどもの行動
    に影響を受けている


 
4-7.褒めてこどもを育てよう!


 <参考図書、おすすめ図書>


    
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 行動的支援勉強ノート

 問題行動への対応を考えるステップ


  問題行動の捉え方を解説してきましたが,問題行動への対応を考える基本的なステップをまとめていきます。後で解説する手続きや専門用語なども含みます。

  前提:問題行動だけに捉われず,こどもは成長段階であるため教育的な支援を行い,できることを増やしていくことが最も大切であることを忘れない。できることが増えてくると問題行動は減少し,また,対応(修正)しやすくなる。

  基本的な考え方:①問題行動を起こしても今はある程度仕方がない,こどもが少々困ったことをしても当然,できることが増えてきたらそのうち問題行動は無くなるだろう,という前向きで少し楽観的な考え方をする。保護者や教師が問題行動に巻き込まれないように注意し,気にし過ぎて悲観的にならないようにする。②問題行動は適切な行動の未学習,または,誤学習と考え,適切な行動ができないのであれば教えてあげる,できるけどやらないのであれば適切な行動が起こりやすい環境を整えてあげるという考え方が基本になる。

  
ステップ1【機能的アセスメント:問題行動の機能を推測する(なぜそんなことをするのかな?)。A-B-Cの三項随伴性の枠組みで問題行動の前後の状況(どのような状況で問題行動が起こり,どのような結果を得ているか)から問題行動の機能,目的を推測する。

  
ステップ2【A-B-CのA(先行条件)の改善】:そもそも問題行動が起こりにくい環境を整える。こどもが問題行動を起こさず気持ちよく過ごすことができるようにできるだけ配慮する。

  
ステップ3【A-B-CのC(結果)の改善】:環境を整えて十分に配慮をした上で問題行動が起こってしまった場合は,問題行動を強めないように対応する。過度に反応せず,淡々と対応する。できるだけ問題行動では要求が通さない(消去)。「そんなことをしても意味がないですよー」といった余裕を持った態度を示す。

  
ステップ4【代替行動分化強化:問題行動に置き換わる,より社会的な行動レパートリーが獲得されているか,生活の中で実行可能かを確認する。問題行動と同じ機能を持ち,少しでも受け入れられやすい行動が獲得されていれば,問題行動ではなく,より社会的な行動で要求が通りやすい環境を整える(代替行動が起こりやすい環境を作り,問題行動を消去し,代替行動を強化する)。

  
ステップ5:問題行動に置き換わる行動が獲得されていなければ,代替行動を指導する。

  
ステップ6:必要な知識を繰り返し教える。社会のルール,家庭のルール,保護者や先生はどのようなことを嬉しく感じ,悲しく感じるか,問題行動が将来どのような不利益につながるか,なぜ周囲に迷惑をかけたらいけないのか,など。こどもが中々理解できないこともあるが,できるだけ分かりやすい形で繰り返し,繰り返し教えていく。環境を整えて行動をコントロールすることに加えて,知識として知ることも大切。

  以上のステップが,私が問題行動へのアドバイスをする時や対応をに考える時の基本的なステップです。”そもそも問題行動を起こさせない”,”問題行動をしても意味がない環境を作り”,”問題行動に置き換わる少しでも受け入れられやすい行動を引き出す,または,指導する”ということです。少しでも社会で受け入れられやすい行動に置き換えることができたら,さらにより社会的な行動を指導し,適切な形で要求を伝えられるようにしていきます。

  加えて,周囲が問題行動のことばかり気にしていると問題行動は強まっていく可能性が高くなります。問題行動を起こしていない時,普通に過ごしている時に積極的に注目することが大切です(他行動分化強化)。こどもなりのがんばりや成長にも注目していきましょう(少し以前より我慢できた,少し問題行動が弱くなった,少し切り替えが早くなった,少しできることが増えた,別の手段を試そうとしていた,など)。

  ステップ2でそもそも問題行動を起こさせない配慮を行うという理由は,問題行動とその対応で時間を取られると適切な行動を学習する時間が削られてしまうというため,普通に過ごす時間が増えれば増えるほど普通に過ごす行動(望ましい行動)が増加するため(増やしたい行動はより多く経験させることが大切),特別なニーズのあるこどもはストレスを抱えることが多いためできるだけ穏やかに過ごさせてあげたいため,問題行動が起こりその対応が上手くできないと問題行動を強めてしまう可能性があるためです。”無くしたい行動はそもそも起こさせない”という考え方は大切です。

  ステップ5で,置き換わる行動(代替行動)を学ぶことが難しければ,その時は問題行動への積極的な対応は後回しにして,問題行動を強めない程度の対応を行いながら,少しずつ基礎的な力をつけたり,できる行動を増やしていきます。

  上記の様な行動的な対応に加えて,問題行動に影響を与えているこどもの弱い点を考え個別療育や活動を通して伸ばしていきます。どのような認知能力の弱さが問題行動につながっているのか,適切な行動の学習を難しくしているのかを考えます。注意力,記憶力,切り替える力,自己制御,こだわり,状況を理解する力,他者視点,感情理解,結果を予測する力,計画を立てて実行する力などの弱さが問題行動につながっている可能性があります。その場合は,少し専門的な視点をもって家庭や療育で行うことを考えます(認知スキルを伸ばすために)。

 


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