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 応用行動分析学勉強ノート

 
コラム 「泣く」ということについて 2

  
「泣く」ということについて1では,こどもの「泣く」という行動を特別に捉えて過度に反応しないことが大切という心構えと「消去」の手続きを中心に解説しました。

  しかしこどもの「泣く」という行動は周囲に影響を与え,大人の積極的な対応を引き出しやすい行動です。保護者であれば『こどもが泣いてるのに全然対応していないと思われてしまう,ダメな親と思われてしまう』と考えたり,支援者であれば『上手く支援ができていないと思われるかも』と考えても当然です。「こどもにとって良くないかも」と心配されたり,「かわいそう」と感じるかもしれません。大きな声で泣き続けていたら虐待を疑われて通報されてしまうこともあります。泣いてもあまり対応しないという消去の手続きは,現実ではなかなか難しいものです。

  基本的には泣いたり崩れたりせずに課題を行ったり日常生活を過ごすことができるように環境を整えることが第一です。前向きに様々な活動に取り組むことができるように十分に配慮した上で,それでも泣いてしまう場合は,過度に反応せず淡々と対応すると良いと思います。泣くことで要求が通らないように注意し,可能な範囲で淡々と対応します。可能な範囲というのは場面によっても対応の仕方や程度は異なると考えられるためです。

  家にいる時も日中と夜間では対応が異なるし,電車の中,スーパー,公園などでも対応は異なるでしょう。園や学校でも,休憩時間と授業時間,周りにこどもがいる時といない時,補助の先生がいる時いない時でも対応は異なります。大人側に時間や気力,体力の余裕があるかどうかによっても対応は異なります。

  それぞれの場面で,もしこどもが泣いたり崩れたりした場合にどのように対応をするか,あらかじめ考えておくと良いです。家で日中泣いた時,夜に泣いた時,お勉強中に泣いた時,スーパーで泣いた時,どのように対応するか。できるだけ周囲の迷惑にならず,こどもの「泣く」行動を強めず,対応する側も感情的に受け入れられる方法を考えます。例えばスーパーでの買い物中にこどもが泣いた場合,そのまま買い物を続けるのか,その場所で泣き止むのを待つのか,階段の踊り場やベンチで泣き止むのを待つのか,一旦外に出るのか,など。

  まとめると,こどもは泣くものなので,基本的には泣く行動に過度に対応したり心配し過ぎない,できるだけ泣いたり崩れたりせずに過ごすことができる様に環境を整える,その上でもし泣いてしまったら「泣く」行動を強めないために極力淡々と対応する,ということになります。

  最後に、もう1つ注意しないといけないことは、こどもなので親の愛情を求めて泣くことがあるということです。母親や父親に甘えたくてぐずったりすることがあります。その場合は、しっかり構ってあげ、抱きしめてあげ、愛情を注いであげてください。

  「泣く」行動が全て問題行動なのではなく、要求を通すことを目的に過度に泣くことが問題なので、そのような場合は過度に反応しないようにするということ、そして、こどもがただ甘えたくて泣いているような場合はしっかり構ってあげたり,泣いている理由を考えてあげることも同様に大切です。


 
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