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 軽度知的障害やその他の発達障害のあるこどもの支援

 
ルールを決めて,守るということ まとめ 1

  生活の中で,ルールを決めて守るということの大切さを解説してきました。誤解しないでいただきたいのは,ルールだらけにして締め付けることが目的ではありません。例えば,1週間のルールとしては1-3個位で十分だと思います。

  決められたルールを守る,また保護者もそれは崩さないという環境を作ることで,青年期に入って保護者の言うことを聞かない,やらないといけないことをしない,という問題を予防することにつながります。

  大切な点はいくつかあるのですが,最も大切なことは,こどもを褒めたり,こどものがんばりを認めてあげる機会を増やすことが目的であるということです。適切な行動を増やす基本的な方法は,(A)必要な支援を行って,(B)適切な行動を行わせ,(C)その行動が強化される,といった経験を繰り返すことです(プロンプトを用いた正しい行動を学習させる基本的な方法参照)。まずはこどもが簡単にできる程度のルールからはじめ,上手くできたら当たり前とは思わず,しっかり褒めて上げて下さい。こどもは自信を持ち,家庭の雰囲気が良くなることを目指します。

  次に大切なことは,こどもの力を伸ばすことにつながるということです。小さいときから決まったことをきっちり行うという経験を積むことで,何かに取り組むときにめんどくさいと感じて中々手が付けられなくなることを防ぎます。また,知的障害や発達障害などがあると,自分の行動の結果を理解することが難しいこどもがいます。ルールが守られたらプラスの結果,守らなかったらマイナスの結果という経験を積むことで,自分の行動の結果を理解する練習になり,自分の行動に責任を持つ力を養います。

  衝動性が強かったり,切り替える力が弱いと決まった活動や日課にスムーズに取り組むことが難しいことがあります。時間が来たら宿題をする,ゲームは1日1時間,学校の準備を前日の夜にする,など。決まり事や日課は時間通りにきっちり行うという経験を積むことで,切り替える力や衝動性を抑えて1つのことに取り組む力を伸ばすことを目指します。

  そして,ルールを決めるということは正しい行動を起こりやすくするためのプロンプトとして考えることができます。ルールで決めた行動が習慣となれば,ルールとして提示する必要はありません。こどもが自主的に行うことができたり,簡単な声かけ程度で行うことができるようになれば,その行動をルールとして示すことを止め,次の少し困難な行動をルールとして提示してあげて下さい(プロンプトフェイディング)。



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